[II-PWS1-04] チームで診るECMOの安全管理ー多職種カンファレンスと日常の管理連携ー
キーワード:ECMO, 安全管理, 多職種カンファレンス
ECMOの安全管理は関連する多職種による連携が不可欠である。導入理由や病態の理解、現状や治療方針の共有、緊急トラブル対応の確認など、医師や看護師らチーム全体で密に連携を図る必要がある。当院のECMO安全管理のためのチーム連携について、臨床工学技士の関わりを交えて報告する。【当院の症例】当院のECMOの特徴は、重症心不全治療のための導入と術後心肺不全に対するV-A ECMOの大きく二極化される。2020年~2022年の3年間で16例のECMO症例を経験した。重症心不全の治療・救命のための導入が9例、術後の心肺補助に対するV-A ECMOが7例であった。特徴的に、心不全治療のECMOから体外式の補助人工心臓へ移行する例も少なくない。3年間にEXCOR Pediatric小児用体外設置式補助人工心臓システム(EXCOR)4例のほか、ニプロVAS1例、遠心VAD1例を経験した。【多職種カンファレンス】ECMO導入ごとに定型で患者個々のカンファレンスを設けることはないが、毎週月曜の夕方に、EXCORなど重症心不全治療中の患者情報を共有することを主としたVADカンファを開催している。ECMO管理中の患者がいる場合にはその中で関連患者として挙げ、導入理由や病態、現状や治療方針などについて情報共有している。カンファレンス参加職種は、小児心臓内科医・外科医、病棟・ICU看護師、移植コーディネータ、理学療法士、院内学級教師、技士などである。【ECMO管理の連携(技士の関わり)】技士は共有した情報をもとに、日常の安全確認・確保、駆動状態の確認と適切な駆動管理のため、朝昼夕3回(以上)の巡回を行い、主治医や担当看護師とのリアルタイムの情報交換を図っている。技士は、夜間の緊急対応はオンコール体制のため、毎夕、夜間の担当看護師に対し、駆動管理の申し送りと併せ、ECMOポンプ異常停止時の緊急対応法として手動操作の手順確認などを実地で共有連携し、安全管理に努めている。