第60回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスター発表

成人先天性心疾患

ポスター発表(III-P02-3)
成人先天性心疾患2

2024年7月13日(土) 10:00 〜 10:50 ポスター会場 (2F 多目的ホール)

座長:安田 謙二(島根大学小児科/医療的ケア児支援センター)

[III-P02-3-07] 成人先天性心疾患患者の社会的自立への心疾患重症度と精神発達遅滞の影響

小柴 光央, 川村 悠太, 清水 由律香, 川合 玲子, 高月 晋一 (東邦大学医療センター大森病院 小児科)

キーワード:成人先天性心疾患, 社会的自立, 精神発達遅滞

【背景】成人先天性心疾患(ACHD)患者は年々増加しており、患者の社会的自立が問題視されてくるようになった。この社会的自立においてCHDの重症度や精神発達遅滞(MR)が影響することが考えられる。【目的】ACHD患者のCHD重症度とMRが社会的背景に与える影響について検討した。【方法】当院小児循環器科で診療を継続しているACHDの患者78名 (年齢中央値 20歳 (15歳 - 73歳)、男性 32名 (41%))を対象とし、simple CHD(ASD、VSD、PDA、simple CoA)とcomplex CHD、およびMRあり、なしの2群に分けて就労および通学や精神科受診、妊娠・出産状況などを比較した。【結果】Complex CHD群はSimple CHD群に比して、性別 (男性16名 vs 16名, p=0.85 )、染色体異常 ( 9名 vs 9名, p=0.90 )、チアノーゼ残存 (4名 vs 3名, p=0.74 )に有意差はなく、内服治療の有無( 22名 vs 4名, p<0.05)では有意に多かった。また、就労または通学(20名 vs 23名 , p=0.85)、精神科受診 (5名 vs 6名 , p=0.67)、妊娠・出産 (女性患者 3名 vs 1名 , p=0.33)に有意差はなかった。一方でMRあり群はMRなし群に比して内服治療の有無 ( 3名 vs 24名, p=0.21)、就労および通学 (3名 vs 40名 , p=0.82)、妊娠・出産 (0名 vs 4名 , p=0.59)に有意差はなかったが、精神科受診 (3名 vs 8名 , p=0.002)は有意に多かった。 【結語】 ACHD患者における社会的自立の背景に関与する因子を検討した。CHDの重症度やMRの有無によって就労状況や妊娠・出産に関して有意差は認められなかったが、精神科受診はMR群で多かった。【結語】ACHD患者における社会的自立の背景に関与する因子を検討した。CHDの重症度やMRの有無によって就労状況や妊娠・出産に関して有意差は認められなかった。