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[健康福祉-A-03] コロナ禍における精神障害のある人の運動・スポーツ参加
就労継続支援B型事業所の調査から
精神障害のある人にとって運動・スポーツは健康とウェルビーイングに結びつく重要な活動である。新型コロナウイルスがパンデミック化し、多くの運動・スポーツ活動が中止されたり施設利用が制限されたりしてているが、精神障害のある人がどの程度運動・スポーツに参加しているのか、そしてその参加についてどう考えているのかは明らかにされていない。本研究では就労継続支援B型事業所の精神保健福祉手帳所持者を対象として令和2年11月から令和3年2月にかけてテンプル大学地域参加指標の日本語版を用いた質問紙調査を行い、254名が質問紙に回答した。67%の参加者が男性、年齢の中間値が40代、過半数の者が過去30日の間に16日以上B型事業所を利用していた。運動・スポーツで体を動かすことについて満ち足りていると答えたのは参加者全体の8%で、もっと体を動かしたいと希望している人は51%であった。参加者の過去30日における平均運動実施日数は公園やスポーツセンターで1.9日、フィットネスジムで0.6日、チームスポーツや他の集団身体活動で0.2日、スポーツイベントの観戦で0.2日であった。公園やスポーツセンターへ行くことが重要だと考えている人は全体の40%、フィットネスジムは31%、団体活動は18%、そしてスポーツ観戦は20%であった。これらの活動が重要だと感じている人のうち、その活動に十分に参加していると感じている人の割合は公園・スポーツセンターで62%、フィットネスジムで41%、団体活動は45%、スポーツ観戦で37%であった。このように、就労継続支援B型事業所を利用する精神障害のある人はコロナ禍において運動・スポーツに参加したいと希望しているにもかかわらず十分に参加できていないことが明らかになった。今後の研究で彼らが十分に参加できていない理由を早急に明らかにし、運動・スポーツ参加への支援をするべきだと考えられる。