15:55 〜 16:35
[スポーツ文化-SA-2] オリンピックから考えるSDGsとスポーツの関係性
<演者略歴>
奈良女子大学准教授。専門分野はスポーツ社会学。オリンピックをはじめとしたスポーツ・メガイベントが地域・都市・国家に及ぼす影響について研究。著書に『現代オリンピックの発展と危機 1940-2020』(人文書院)、共編著に『未完のオリンピック』(かもがわ出版)、『〈ニッポン〉のオリンピック』(青弓社)など。
奈良女子大学准教授。専門分野はスポーツ社会学。オリンピックをはじめとしたスポーツ・メガイベントが地域・都市・国家に及ぼす影響について研究。著書に『現代オリンピックの発展と危機 1940-2020』(人文書院)、共編著に『未完のオリンピック』(かもがわ出版)、『〈ニッポン〉のオリンピック』(青弓社)など。
17のゴールを持つSDGs達成に向けた取り組みが多様な領域で開始されている。スポーツとの接点もさまざまに考えられるところだが、「開発と平和のためのスポーツ」(SDP)に関する領域を除けば、議論が進んでいるとは言い難い。スポーツ界では未だ、SDGsを引き受けるべき自らの課題として認識していないのが現状ではないだろうか。本報告ではこのことの意味を考えるために、近年SDGsの推進者としても位置づけられているオリ・パラ、特にオリンピックを題材にして考察を加えたい。IOCは自らの使命と役割について環境問題を柱の一つに据え、スポーツにおける持続可能性について議論してきた経緯を持つ。また、認知度は低いものの、東京大会では持続可能な大会の準備・運営に向けて5つの主要テーマが掲げられてきた。最終局面で別の意味の持続可能性が問われているオリンピックだが、開催準備を通して、ジェンダー平等や都市開発のあり方など、スポーツを通して見える社会に改善すべき点が多く含まれていることを明らかにしてきた。SDGsがなぜスポーツに必要なのかに加え、議論が進まないことにどのような問題がはらまれているのかについて考えたい。