日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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体育心理学 ポスター発表

[03 心ーポー16] スキップ動作の身体感覚についての一考察

自然歩行の比較から

〇菊地 淳子1、水村(久埜) 真由美2 (1.お茶の水女子大学大学院、2.お茶の水女子大学)

 スキップ動作は跳躍による全身のリズミカルなステップ動作で、快感情などの情動を伴い自然に起こる動作として特徴がある。本研究では、運動に伴う気分や感情の変化を、スキップ動作中の気分および感情および主観的な身体イメージの変化を自然歩行との比較から調査し、動作により惹起する主観的な感覚について考察を加えることを目的とする。
 対象は、舞踊専攻の女子大学生31名でgoogleフォームを使用した調査を行い、回答を得た。スキップ動作の主観的な身体イメージでは、自然歩行に比べて「弾む」「嬉しい」で有意に高い値を示した。動きのイメージでは、自然歩行に比べてスキップでは「リズミカル」で有意に高い値を示した。「快感情」「リラックス感」「不安感」の3つの下位尺度で測定するポジティブ感情測定尺度(MCL-S.2)については、自然歩行に比べてスキップ動作では、12項目のうち、快感情4項目すべてで有意に高い値を示し(α<0.01)、不安感4項目すべてでスキップが有意に低くなった(α<0.05)。MCL-S.2のリラックス感では、4項目のうち3項目で歩行よりスキップの値が有意に低かった(α<0.05)。
 本研究の結果、スキップ動作は、自然歩行と比べて、「リズミカル」「弾む」といった身体イメージを強く知覚し、快感情を増し不安感情を減らす可能性のある動作であると示唆された。