日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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体育心理学 ポスター発表

[03 心ーポー32] 審判インストラクターを対象とした心理的課題に関する実態調査

〇村上 貴聡1、村上 雅彦2、立谷 泰久3 (1.東京理科大学、2.大阪人間科学大学、3.国立スポーツ科学センター)

近年、審判員においてもストレスマネジメントの必要性が指摘されている。例えば、村上ほか(2017)は、「判定への不安」「審判間の人間関係」「パフォーマンスの評価」「選手や指導者からの評価」など、国際審判員のストレッサーを報告している。審判を育成する立場にある審判インストラクターにおいても同様であり、様々な心理的課題が存在することが予想される。そこで、本研究では、審判インストラクターが活動する上で直面する心理的課題やメンタルトレーニングの実施内容について検討した。対象者はチーム競技の審判インストラクター9名(男性6名、女性3名)であった。調査は、審判指導におけるストレス、実施したいメンタルトレーニングの内容、そして心理検査のフィードバック方法について自由記述で行った。得られた内容について整理・集約した結果、心理的ストレスについては「時間的負担」や「指導内容に関すること」など12のカテゴリーに類型化された。続いて、メンタルトレーニングで取り上げてもらいたい内容に関しては「選手とのコミュニケーションの取り方」や「気持ちの切りかえ」、「不安への対処法」など11カテゴリーが抽出された。また、心理検査のフィードバック方法については、「分かりやすさ」や「継続的な変化」など5つのカテゴリーに分類された。今回の調査で得られた知見は、審判員に対する心理サポート実践の際の基礎資料になると思われる。