日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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体育心理学 ポスター発表

[03 心ーポー33] 大学女子ラグビー選手における大会期間中のコンディションに関する実践的研究

〇岩崎 宏次1、高井 秀明1、大久保 瞳1、川浪 哲如1、戸松 陽平2、折茂 紗英2、坂詰 和絵1、米地 徹1 (1.日本体育大学、2.日本体育大学大学院)

ラグビー選手にとって、大会期間中に良いコンディションを維持することは重要な課題であり、試合後の心身の状態を正確に評価することは今後のパフォーマンス発揮に向けて意義がある。そこで本研究では、大学女子ラグビー選手を対象とし、試合のパフォーマンスが試合後の生理・心理面に与える影響について、唾液中コルチゾールおよびPOMS2短縮版を用いて検討することを目的とした。対象は、A大学ラグビー部に所属する女子選手10名であった。唾液中コルチゾールの採取は大会2日間であり、起床直後、起床30分後、試合前、試合後、就寝前に採取した。心理的指標のPOMS2短縮版は、唾液中コルチゾールの採取と同様のタイミングで回答させた。また、パフォーマンス評価は、11件法(-5:ものすごく悪い-5:ものすごく良い)で試合後に回答させた。その結果、パフォーマンス評価の得点は、大会2日目が大会1日目より有意に高かった(p<.05)。唾液中コルチゾール濃度は、大会1日目の試合後が、大会2日目の試合後より有意に高かった(p<.001)。また、大会1日目の試合後は、大会1日目の起床直後および試合前より有意に高く(p<.05、p<.001)、大会2日目の起床30分後は、大会2日目の起床直後より有意に高かった(p<.01)。試合後のPOMS2短縮版は、大会1日目が大会2日目よりネガティブ感情が有意に高く(疲労―無気力:p<.05、怒り―敵意・混乱―当惑・抑うつ―落込み:p<.01)、ポジティブ感情(友好:p<.05、活気―活力:p<.01)が有意に低かった。以上のことから、本研究におけるパフォーマンス評価の得点と生理・心理面は同様の傾向を示したため、パフォーマンスと生理心理学的指標との関連を検討することは選手自身がコンディショニングに対する理解を深めることに貢献できるだろう。