[03 心ーポー36] 学生のコロナ禍による体力とQOLの影響
【目的】昨年、突如として世界が見舞われた新型コロナウィルス感染症の影響により、学生は小さな自室での自粛生活を余儀なくされ、未知の新しい教育環境に身を置くことになった。他者との交流が制限され日常の生活行動が変化し、活動量の減少や心理的ストレスがもたらす健康への影響が懸念された。そこで、学生の生活活動・体力および生活関連QOLの実態調査からコロナ禍による心身の健康への影響を検討する。
【方法】対象:学部1回から大学院博士後期課程に在籍するN大学学生320名。調査時期:2020年8月〜10月に対面実施。測定項目:1) 体力測定:閉眼片足立ち、長座体前屈、握力、30秒椅子立ち上がり。2) 質問紙:心理的well-being質問紙、QOL質問紙(SF-36)。統計解析:1) 体力測定は、1回生78名を対象に、過去2年間の1回生データと一要因分散分析で比較。2) 質問紙は、昨年の同時期(5月)を想起したコロナ前と今年5月のコロナ禍をt検定により比較。
【結果と考察】長座体前屈、30秒椅子立ち上がり、握力が2020年入学生は過去2年間の学生よりも有意に著しく低下した。コロナ禍の自粛生活による身体活動不足によって、筋力低下と関節柔軟性の著しい体力低下が導かれた。ポジティブな心理機能を包括的に捉える心理的wellbeingでは、「自律性(自己決定の感覚)」、「人生における目的」にコロナ禍で有意な低下がみられた。行動規範が画一的となった新しい生活様式により自己決定力が阻害された可能性と、見通しの立たない研究・就職活動などの将来への不安、また部活動等の制限による自己表現や目標・目的の喪失が推察された。さらに、精神的QOL「活力」「メンタルヘルス」、社会的QOL「社会生活機能」が顕著に低下し、自粛生活が家族や友人、地域との社会的なつながりを奪い、精神的な疲労感や抑うつ感の増加を導いたことが明らかとなった。
【方法】対象:学部1回から大学院博士後期課程に在籍するN大学学生320名。調査時期:2020年8月〜10月に対面実施。測定項目:1) 体力測定:閉眼片足立ち、長座体前屈、握力、30秒椅子立ち上がり。2) 質問紙:心理的well-being質問紙、QOL質問紙(SF-36)。統計解析:1) 体力測定は、1回生78名を対象に、過去2年間の1回生データと一要因分散分析で比較。2) 質問紙は、昨年の同時期(5月)を想起したコロナ前と今年5月のコロナ禍をt検定により比較。
【結果と考察】長座体前屈、30秒椅子立ち上がり、握力が2020年入学生は過去2年間の学生よりも有意に著しく低下した。コロナ禍の自粛生活による身体活動不足によって、筋力低下と関節柔軟性の著しい体力低下が導かれた。ポジティブな心理機能を包括的に捉える心理的wellbeingでは、「自律性(自己決定の感覚)」、「人生における目的」にコロナ禍で有意な低下がみられた。行動規範が画一的となった新しい生活様式により自己決定力が阻害された可能性と、見通しの立たない研究・就職活動などの将来への不安、また部活動等の制限による自己表現や目標・目的の喪失が推察された。さらに、精神的QOL「活力」「メンタルヘルス」、社会的QOL「社会生活機能」が顕著に低下し、自粛生活が家族や友人、地域との社会的なつながりを奪い、精神的な疲労感や抑うつ感の増加を導いたことが明らかとなった。