日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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体育科教育学 ポスター発表

[11 教ーポー08] 技能的及び心理的セルフ・コントロール能力育成を意図した長距離走単元の開発と検証

〇小山 浩1 (1.学校法人常葉大学健康プロデュース学部)

 本研究の目的である、体育学習が認知能力としての技能的なセルフ・コントロール能力と非認知能力としての心理的なセルフ・コントロール能力の育成にどのように係わるかについて、2年目の取り組みであった。
 2020年の7月に浜松市の公立中学校1,2年生を対象に、心理的なセルフ・コントロールの予備の追調査を実施した。さらに、2020年11月から、主調査を研究協力校である東京都内の国立大学附属中学校において、体育授業「長距離走単元」の本研究での第2回を実施した。単元の前後に、心理的なセルフ・コントロール能力についてのアンケートを昨年度同様に実施した。また、技能的なセルフ・コントロール能力についての変容も、昨年度と同様、単元カードに記載された授業記録から読み取った。
 結果として、心理的なセルフ・コントロール能力ついては、単元前後で項目毎に若干の変容は見られたが、一次分析において、昨年度と同様に総合的には、有意差を検出するには至らなかった。データのより詳細な分析を、COVID-19感染拡大前後の比較と合わせ、2019年度、2020年度のデータの結果を踏まえつつ、結論を導いていきたいと考える。一方の技能的なセルフ・コントロール能力については、長距離走において、自己のペースを一定にコントロールして走る能力を技能的なセルフ・コントロール能力として捉え、単元前後での変容を検討した。2019年度と同様に予定タイムと、結果タイムとの差を記録した。単元が進むに従ってどのように変化するかを調べた。結果は、2019年度と同様に、この差の有意性を見ることができ、単元を通して技術的セルフ・コントロールの慎重を確認することができた。
 以上のことから、体育学習において、特に長距離走単元では、セルフ・コントロール能力のうち、技能的なものは生徒に獲得させうるが、心理的なセルフ・コントロール能力は伸張させえない可能性が示唆された。