[05 バーポー09] 落下負荷を統制したリバウンドジャンプとドロップジャンプの下肢バイオメカニクスの比較
陸上競技をはじめとする様々なスポーツのトレーニング現場ではプライオメトリックトレーニングが行われている。中でも両脚踏切りで鉛直方向への連続跳躍であるリバウンドジャンプ (RJ)や、ある高さの台上から飛び降りて着地後すぐに垂直跳びをするドロップジャンプ (DJ)はその代表例である。いずれのジャンプもある高さから落下し、短い接地時間で跳躍する点に関しては類似した跳躍運動であると考えられる。一方で、RJはDJと比較してより高いパワーを発揮できる運動であるとも報告されており(林ほか、2016)、両ジャンプは異なる跳躍運動であると主張する研究も見受けられる。 しかし、 両者を直接的に比較した研究は極めて少なく、その特徴や相違点は解明されていない。そこで本研究は、RJとDJの落下の負荷を統一した上でバイオメカニクス的観点から比較することで、その特徴および相違点を明らかにすることを目的とした。被験者は、体育学を専攻とする男子学生9名(年齢:21.8±0.6歳、身長1.72±0.05m、65.6±8.7㎏)、女子学生10名(年齢:21.0±0.6歳、身長1.61±0.06m、54.0±7.3㎏)の計19名であった。試技は、連続5回のRJと高さ0.25mの台からのDJであり、RJの分析対象試技はDJとの落下高の差が5%以内かつ跳躍高の最も高いジャンプとした。なお、落下高はRJでは各ジャンプの最高到達点における身体重心高とし、DJでは落下前の身体重心高とした。また、試技中は腕の振り込みを用いないように腰に手を当てた状態で跳躍を行い、できるだけ素早く高く跳ぶことを指示した。試技中の動作および地面反力を測定し、跳躍高および下肢のキネティクスデータを算出した。その結果、跳躍高はDJと比較してRJで有意に大きくRJとDJは異なる特性を持つジャンプであることが示唆された。