日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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発育発達 ポスター発表

[07 発-ポー07] ラダー・ミニハードルを用いた運動プログラムが幼児の走能力に与える影響

〇上田 恵子1、井原 一久2、國土 将平3 (1.畿央大学、2.NPO法人アスロン、3.神戸大学大学院)

【目的】幼児期は走る・跳ぶ・投げるなどの基本動作を獲得する初期段階であり、様々な遊びの経験を通して動きが洗練化されていく。近年、リズム感・運動能力の向上を狙いとしたリズムジャンプ指導が実施され、怪我の予防にもつながることが報告されているが、保育現場におけるリズムジャンプの実践報告は限られている。本研究ではラダー・ミニハードルを用いた運動プログラムを半年間実施し、その効果を検討することを目的とした。

【方法】西宮市の公立幼稚園の4歳児(男児:8名、女児:19名)を対象に、約15分のラダー・ミニハードルのリズムジャンプによる運動プログラムを平均週2.5回6ヶ月にわたって実施した。プログラム導入前に25m走を測定し、実施前、実施後3・6ヶ月の結果について、記録の変化、運動能力得点(5段階評定、杉原(2003))を評価した。この得点の各階級値の範囲は均等ではないため、その評定値による変化量を補正して、その伸び率から個人の25m走の発達度を検討した。

【結果・考察】25m走の平均値は6月男児7.17秒、女子7.23秒、9月男児6.78秒、女子7.12秒、12月男児6.72秒、女子6.93秒と向上しているが、年齢発達を考慮した運動能力得点の変化はみられなかった。発達度をみると、伸び率130%以上が10名、80〜120%未満が4名、50〜80%が3名、50%以下が6名、記録の低下した幼児が4名であった。以上のように運動プログラム後に記録が伸びているものと伸びていないものの2分化傾向がみられた。この要因として、運動プログラムの効果には個人差があることが予想される。加えて、半年前の記録より低下する幼児も4名おり、パフォーマンスが上手く発揮できていない可能性が考えられた。