[07 発-ポー13] 漸増的・漸減的なテンポ変化のリズムジャンプの変化率の検討
【目的】様々なテンポ変化のリズムジャンプを実践し、その難易度を検討することを目的とする。【方法】聴力に異常がない成人4名(男性3名、女性1名)を対象に、一拍毎に2、4、6、8、10bpmずつテンポアップ及びテンポダウンするメトロノーム音に合わせて跳躍を行う課題を実施した。一跳躍ごとのメトロノーム音発生時と着地時の時間的誤差を、スローモーション撮影(240fps)及びコマ送り機能を用いてフレーム数で算出した。変化率を認識するまでの時間を考慮し、6跳躍目から15跳躍目までの10跳躍を分析対象とした。一跳躍が二拍にまたがってしまった場合は失敗跳躍とみなし、二拍分の跳躍を分析から除外した。各課題における正確性を比較するため、Friedmanの順位付けによる双方向分析を行い、有意差が認められた課題に関してBonferroni法により比較を行った。【結果・考察】10bpmずつテンポアップ、ダウンする課題では両方とも失敗跳躍が散見されたため、分析対象から除外した。Friedmanの順位付けによる双方向分析及びBonferroni法の結果、2bpmずつ速くなる、8bpmずつ速くなる課題間(χ² = -2.250、p < 0.05)、2bpmずつ速くなる、6bpmずつ速くなる課題間(χ² = -2.729、p < 0.01)、4bpmずつ速くなる、6bpmずつ速くなる課題間(χ² = -2.229、p < 0.05)において有意差が認められた。以上の結果から、リズムジャンプにおいてテンポが漸増的に速くなる場合には、変化率が大きい8bpmや6bpmよりも、変化率の小さい2bpmの方が聴覚刺激に合わせて正確に跳躍することができるということが示唆された。また、4bpmと6bpmに関して、6bpmずつ速くなる方が有意に誤差が大きいことから、一拍毎に4bpmより速くなると、外部刺激に合わせることが難しくなることが示唆された。