日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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体育方法 ポスター発表

[09 方ーポー16] ジュニアテニス選手の上達について考察する

自己最高世界ランキング4位の錦織圭選手を始め、プロ選手を輩出している米沢徹コーチのインタビューを元に考察する

〇関川 夏彦1 (1.日本体育大学)

米沢徹コーチの指導現場へ行きインタビューを行った。自己最高世界ランキング最高4位の錦織圭選手を指導した経験があり、現在もジュニアの指導に携わっている。



インタビュー内容



「日本では、なんとかしてうまくしてやろう、という発想があり何かを教えようとする。いいか悪いかは別として、それが多すぎるとあまりいい選手にはならない。けど一面に人数が多いので、そういう風習になる。たくさんコートがあれば、ゲーム、サーブ、球出しするコートなどができる。細かいチェックも要るが、ああだこうだ、と言うものでもない。ボールが飛べばいいから。色々な要素を入れたテニスの練習がいいですよね。



どこにどんなボールを打つかということで、打ちたいとこに打てれば試合は勝てる。どんな打ち方を教える前にどんなところにどんなボールを打つかを教える。打ち方なんて一回教えればある程度わかって「こうやって打つんだ、グリップは」といちいちそれを口酸っぱく言わなくてもボールを出して打たせていればその選手は取り組めるわけだから。それに対していちいちあーだこーだ言っていると、そればっかりに選手は頭がいって、他の全体像が(ゲーム)置いてきぼりになる。色々なショットがあって色々なゲーム性があるけどシンプルにやらないといけない。」



米沢氏の内容からは「選手は目的を与えられればそれを遂行するために行動する」ということがわかる。

今からおよそ200年前、18世紀のドイツの作家ジャン・パウルが著した『レヴァーナあるいは教育論』(1807)では、「目標は、道よりも前に知られていなければならない。教育の手段や技術というものはすべて、教育の理想や原像によってはじめて決められるものである。」

ショットの目的は「どんなところにどんなボールを打つか」であり、打ち方ではない。