[09 方ーポー20] 野球の打撃における左右打者の相違について
野球において右投げにもかかわらず、左打ちが多く存在する理由として、指導書では、川村(2009)は①一塁ベースまで近いこと②体の回転方向が一塁方向であり、走りやすいこと③多くいる右投手は左打者に対して体に近づいてくる投球が多いために左打者が対応しやすいことなどを挙げており、こうした違いがあることは指導現場では指摘されてきた。しかし、これまでの研究のほとんどが左右の区別をすることなく、行われてきた。そこで本研究の目的は、右投げ右打ち打者と右投げ左打ち打者における打撃動作に関して、特に上肢と体幹の動作に着目することで、そのキネマティクス的相違を明らかにすることである。
対象者は大学野球選手56名(であり、右打者(以下、RR群)が30名、左打者(以下、RL群)が26名であり、実験試技はティー台上のボールを打撃するティー打撃であった。試技の撮影は全身の試技を撮影するためのカメラ2台と手部を詳細に撮影するために手部の画角を拡大させたカメラ2台による撮影を行った。撮影は4台の高速度VTRカメラを用いて、毎秒300コマ、シャッタースピードは1/2000秒で行った。分析点のデジタイズはPC上で手動にて行い、三次元DLT法により、これらの分析点の三次元座標を算出した。得られたデータから上胴部分に移動座標系を設定し、上肢の動作を算出した。
その結果RR群はRL群よりも上胴・下胴の回転角速度が大きくなることやRL群はボトムハンド側肩関節の外転が大きい一方で、下胴の回転が小さく、上胴・下胴の角速度が小さい傾向にあることなどの知見が得られた。本研究の結果から野球の打撃動作において利き腕を右腕とする左右打者間には打撃動作において相違がみられることが明らかとなった。右打者や左打者の特性を考えて、指導にあたるべきである。
対象者は大学野球選手56名(であり、右打者(以下、RR群)が30名、左打者(以下、RL群)が26名であり、実験試技はティー台上のボールを打撃するティー打撃であった。試技の撮影は全身の試技を撮影するためのカメラ2台と手部を詳細に撮影するために手部の画角を拡大させたカメラ2台による撮影を行った。撮影は4台の高速度VTRカメラを用いて、毎秒300コマ、シャッタースピードは1/2000秒で行った。分析点のデジタイズはPC上で手動にて行い、三次元DLT法により、これらの分析点の三次元座標を算出した。得られたデータから上胴部分に移動座標系を設定し、上肢の動作を算出した。
その結果RR群はRL群よりも上胴・下胴の回転角速度が大きくなることやRL群はボトムハンド側肩関節の外転が大きい一方で、下胴の回転が小さく、上胴・下胴の角速度が小さい傾向にあることなどの知見が得られた。本研究の結果から野球の打撃動作において利き腕を右腕とする左右打者間には打撃動作において相違がみられることが明らかとなった。右打者や左打者の特性を考えて、指導にあたるべきである。