[09 方ーポー28] ラグビーフットボールにおけるセットプレーの成否がゲームの勝敗に及ぼす影響について
ラグビーのゲームは前後半のキックオフでインプレーが開始され、反則等によりアウトプレーとなることで、ゲームが一時中断される。このようにラグビーのゲームはキックオフからノーサイドまでインプレーとアウトプレーが交互に繰り返される。このインプレーの再開は小さな反則等、又は得点があった場合はスクラム、ラインアウト、キックオフのセットプレーが用いられる。また大きな反則があった場合はフリーキック、ペナルティーキックがインプレーの再開に用いられる。これら再開プレーの中でも小さな反則等、又は得点があった後に行われるセットプレーにはボール争奪の機会(contest場面)が用意されている。加えてこのボール争奪の機会は小さな反則を犯したチームの反対側のチーム(攻撃側)がボール投入権を持つことで、攻撃側が有利となるようにルールが設定されている。ところで、ラグビーのゲームで得点をするためには、ボールを所有して相手のインゴールを目指して前進することが求められる。そのため先ず、ボール所有権を獲得することが必要となる。一方、もし攻撃側がボール所有権を失った場合には、ボール獲得の機会はスクラム等のセットプレーと、タックル成立後のブレイクダウン及び相手のキック等の一般プレーの2つが用意されている。これらのことから、ボール獲得の機会においてルール上、攻撃側に有利に設定されているセットプレーにおけるボール獲得の成否はゲームの勝敗に直接的に関わる重要なプレーの1つであると考えられる。そこで、本研究ではラグビーのセットプレーの成否がゲームの勝敗に及ぼす影響について検討した。研究方法は2019年ラグビーワールドカップ予選プール8ゲーム、及び決勝トーナメント8ゲーム、合計16ゲームを標本として、記述的ゲームパフォーマンス分析の手法を用いてスクラム、ラインアウト、キックオフのボール獲得の成否について分析を行った。