日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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体育方法 ポスター発表

[09 方ーポー29] 近年の15人制ラグビーにおける防御戦術の検討

ゲインライン前方におけるタックル生起要因に着目して

〇廣瀬 恒平1 (1.国際武道大学)

2019年に開催されたラグビーワールドカップにおいて優勝した南アフリカは、鉄壁の防御を基盤とした戦略を貫いたとされる。また、キックの重要性が高まっているとの指摘もあり、攻撃側にとってディフェンスラインを突破することが難しくなってきていることを示唆している。ルール変更やそれに対応した新たな技術・戦術が考案されることにより、これまでの戦略・戦術の潮流に変化が生まれ、近年においては特に防御面が高度に発達してきていると推察される。そこで、2015年および2019年のラグビーワールドカップにおけるベスト8同士の試合を対象に、防御局面に焦点を当て検討したところ、ゲインラインよりも相手陣地でタックルを発生させることが、防御の基本的要件であるタックルの成功率を向上させる要因の一つであることが示唆された。このことから、防御側が如何にすれば前方でのタックルを増やすことが出来るかについて検討することが重要であると考えられた。そこで本研究では、スペースに対しての数的状況、つまり戦術的ポイントからタッチラインまでの攻防の選手数に差異が無いことが、防御側にとって前に出る戦術が遂行可能となる前提条件であると仮定し、この条件を満たす要因について記述式ゲームパフォーマンス分析を用いて調査した。その結果、戦術的ポイントに参加する防御側の人数ではなく、ボールが出されるまでの時間がタックル発生位置に影響を与える要因であると推察された。このことから、次の検討課題として重要になるのが、戦術的ポイントからボールが出されるまでの時間を如何にして遅延させるかという点になると考えられるが、得られた他の分析結果も含めて、詳細については、学会大会にて報告する。