日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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体育方法 ポスター発表

[09 方ーポー54] 大学男子バスケットボール選手のスリーポイントシュートの指導用動作モデルについて

〇有井 さやか1、阿江 通良2、沼津 直樹2、針谷 理栄子1、藤田 将弘2 (1.日本体育大学大学院、2.日本体育大学)

 バスケットボールのオフェンス技術にはドリブル、パス、シュートの3つがあり、なかでもシュート技術は得点に直接つながる唯一の手段であり、最も重要な技術であるとされている。

そこで本研究では、大学男子バスケットボール選手のスリーポイントシュート(以下、3Pシュート)を3次元動作分析し、Ae et al.(2007)の方法を用いて指導用動作モデルを作成し、3Pシュートの動作的特徴を明らかにすることを目的とした。

関東大学男子バスケットボール連盟1部リーグ所属の選手15名を対象に、ゴール正面からのバスケットボールの3Pシュートをゴール下からのパスを受けて行わせた。分析試技は、シュートが成功し、選手の内省が4または5のものとした。本研究では、ボールをキャッチした時点からボールのリリース時点までを100%に規格化し、シュート動作の標準動作モデル(指導用動作モデル)を作成した。そして、関節角度、変動係数などを算出し、指導用動作モデルの動作の特徴を検討した。

指導用動作モデルでは、はじめに約50%時から肩関節の屈曲と股関節の伸展がはじまり上腕を挙上し、体幹を起こしてシュートの準備を行っていた。約70%時から膝関節、足関節、肘関節の順で伸展し、約90%時で手関節の伸展がはじまりリリースに向かっていた。このうち、約85%時からの肘関節伸展角度が大きかった。
 各関節の変動係数では、肩関節、肘関節が大きく、股関節が小さかった。股関節の変動係数が小さかったことから、指導を行う際に体幹を起こすタイミングや体幹の角度に着目する必要があると考えられる。また、肩関節の変動係数が大きい値(最大で約40%)を示していたことから、上腕の挙上の大きさやタイミングには選手間でばらつきがあり、その原因を検討することにより、3Pシュートの技術差や指導における留意点に言及できると考えられる。