日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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学校保健体育研究部会 » 【課題B】保健体育授業をいかに良質なものにするか

学校保健体育研究部会【課題B】口頭発表②

2021年9月8日(水) 09:00 〜 10:10 会場11 (Zoom)

座長:伊佐野 龍司(日本大学)

09:15 〜 09:35

[学校保健体育-B-06] 高等学校体育における授業の楽しさと主体的行動の因果構造

*横尾 智治1、松岡 弘樹2、安藤 梢2、西嶋 尚彦2 (1. 筑波大学附属駒場中高等学校、2. 筑波大学)

【目的】高等学校体育における主体的問題解決能力育成プロセスの達成満足を構成する下位領域に体育授業の楽しさがある。本研究の目的は主体的行動を構成する下位領域の課題の設定、活動の計画、活動の実践、活動の自己評価、の体育授業の楽しさに対する因果構造を明らかにすることであった。

【方法】対象者は2010年度から2012年度の高校男子1年生から3年生、合計651名であった。先行研究に準拠して、体育授業の楽しさ、体育授業における主体的行動を構成する課題の設定、活動の計画、活動の実践、活動の自己評価の達成度を質問紙調査を用いて測定した。構造方程式モデリング(SEM)を適用して、体育授業の楽しさと主体的行動の因果構造モデルを分析した。モデル適合度指標はGFI、 AGFI、 CFI、 NFI、 RMSEA、 AIC、 CHI-SQ (P値)であった。統計分析はIBMSPSS、 Amosを使用した。

【結果】体育授業の楽しさに対する体育授業の主体的行動を構成する課題の設定、活動の計画、活動の実践、活動の自己評価の重回帰モデルの適合度は良好であり、課題の設定と活動の実践は有意な正のパス係数であり、活動の計画は有意な負のパス係数であった。体育授業の楽しさに対する課題の設定、活動の計画、活動の実践、活動の自己評価の逐次的因果構造モデルの適合度は良好であり、有意なパス係数が得られた。体育授業の楽しさに対する課題の設定、活動の計画、活動の実践、活動の自己評価の因果構造モデルの適合度は良好であり、課題の設定と活動の実践は有意な正のパス係数であり、活動の計画は有意な負のパス係数であった。

【結論】体育授業の主体的行動は課題の設定→活動の計画→活動の実践→活動の自己評価から構成される逐次的因果構造である。体育授業の楽しさに対して、課題の設定と活動の実践は正の関係である。