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[学校保健体育-C-12] 縄跳びにおける二重跳びとスピード跳びの関係
二重跳びを跳ぶための10秒間および30秒間スピード跳びの目安は
児童に二重跳びを学習させる際、規定時間にできる限り前跳びを速く跳ばせる練習法(スピード跳び)があるが、その目標値は明確とはいえない。本研究では児童を対象に、二重跳びの連続最高回数を調査するとともに、10秒間および30秒間のスピード跳びを測定し、両者の関係性について明らかにすることを目的とした。対象者は石川県K市の2小学校に通う1年生から6年生までの児童837名(男児:442名、女児: 395名)であった。北陸では冬季に課外活動として縄跳びを行わせる学校が多く、独自の検定カードに記載する慣習がある。二重跳びの連続最高回数については検定カードの記録(自己申告)を採用した。スピード跳びについては体育授業を通じて10秒間および30秒間の前跳び最高回数の測定を行った。二重跳び、10秒間、30秒間スピード跳びの記録に性差は認められなかった。二重跳びができる(1回以上跳べる)者の割合は1年生20.3%、3年生85.7%、6年生92.9%だった。二重跳びが1回もできない児童と1回だけ跳べる児童、5-10回の児童、および50回以上跳べる児童の4群間でスピード跳びを比較した。10秒間スピード跳びの記録は0回群の平均が23.9回、1回群25.5回、5-10回群28.8回、50回群31.9回であった。分散分析の結果、群間に有意差が認められた。多重比較検定の結果、0回群と1回群に有意差は認められなかった。一方の30秒間スピード跳びの記録は0回群58.3回、1回群68.7回、5-10回群73.9回、50回群84.9回と群間に有意差が認められた。多重比較検定の結果、0回群と1回群に有意差が認められた。二重跳びで1回跳ぶには30秒間スピード跳びで約70回跳べることが目安になることが示唆された。また、5回以上跳ぶには10秒間スピード跳びで約30回跳べるようになることが条件であることがわかった。