The 71st Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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Oral (Theme)

競技スポーツ研究部会 » 【課題B】競技スポーツにおけるコーチ養成をいかに効果的に行うか

競技スポーツ研究部会【課題B】口頭発表②

Wed. Sep 8, 2021 9:00 AM - 9:50 AM Room 16 (Zoom)

Chair: Kiwamu Kotani (Ryutsu Keizai University)

9:00 AM - 9:20 AM

[競技スポーツ-B-05] A Study on the Coaching Philosophy of Elite Basketball Coaches in Japanese Universities

*Tomohiro Seki1, Naoki Chiba2 (1. Graduate School of Sport Science, Chukyo Univ., 2. School of Sport Science, Chukyo Univ.)

欧米や日本のコーチング研究では、コーチング哲学に関する研究が行われてきた。澁澤(2015)は、全国大会優勝等の実績を持つ、大学バスケットボール指導者4名に対する調査を行った。彼らのコーチング哲学は、選手の可能性を引き出すこと、自主性・自発性を促す選手への動機づけ、選手の人間的な成長を考える信念であった。しかし、澁澤の研究は対象者が少なく他の指導者にも一般化できるのかという疑問と、コーチング哲学の定義に不明瞭な点があった。こうした問題を解消するために、本研究では、佐良土(2018)によるコーチング哲学の定義を採用する。それは、「アスリートやチームの卓越性を向上させ、その卓越性を発揮させるコーチング実践において、(a)さまざまな原理として目指される目的、(b)コーチに方向性を与える基本的方針、(c)コーチによって設定される価値観についての包括的な言明」である(556頁)。山下ら(2005)は、バスケットボール等のアメリカ発祥のスポーツは、アメリカ人の合理主義、実用主義思想が濃厚で、ゲームの質を高めるために「人為的」な手が加えられていると指摘した。指導者の裁量で選手の試合への関与が決まるため、指導者の介入が大きく、そのために指導者のコーチング哲学が選手に多大な影響を及ぼすと考えられる。本研究では、このような理由から大学のバスケットボール指導者のコーチング哲学に焦点を絞る。それは、大学生の指導には高校生以下の場合よりも選手の主体性を尊重した指導が求められるからである。その上で全国大会出場以上という、幅広い指導実績を持つ指導者を対象とすることで、コーチング哲学をより一般化できると考えた。本研究では、全国大会出場の実績を持つ大学バスケットボール指導者のコーチング哲学を明らかにすることを目的とする。調査では大学の指導者に対して半構造化されたインタビューを行う。発表では調査結果を報告する。