14:25 〜 14:45
[競技スポーツ-C-12] バスケットボール選手におけるストップスキルの検討
本研究は、動的状態から急停止する「ストップ」において、高パフォーマンスを発揮するために必要な運動学的特徴を検討した。
対象者は大学男子バスケットボール部員12名であった。対象者は、5 mの助走後に加速し、7 mの加速―停止区間内で急停止するストップ課題を実施した。課題の急停止は自己タイミング(任意条件)と光刺激提示時(反応条件)の2条件を設けた。課題実施中の対象者を右側方から210 fpsにて撮影し、この映像を2次元動作解析に供した。ストップ課題において、制動のための最初の一歩で踏み出した脚をブレーキ脚、停止前の最後の一歩に踏み出した脚をストップ脚と定義した。ブレーキ脚が右脚の試技を分析対象とした。ブレーキ脚接地時とストップ脚接地時の重心位置の差を制動距離とした。矢状面上での右股関節角速度変化と右膝関節角速度変化を計算した。制動距離、および膝関節最大角速度と股関節最大角速度の出現タイミングの差(ピークタイミング差)に条件間の差があるかどうかを検討するために対応のあるt検定を実施した。
条件間の制動距離の差に有意性が認められ(t = -2.740,p = 0.021)、任意条件で反応条件よりも短かった。ピークタイミング差は任意条件で正、反応条件で負の値となり、条件間の差に有意性が認められた(t = 3.221,p = 0.010)。
股関節最大伸展角速度と膝関節最大伸展角速度の生じるタイミングは、任意条件で股関節が膝関節に先行した。近位―遠位連鎖により、進行方向の推進力を効果的に打ち消したと考えられる。一方、反応条件では膝関節が股関節に先行した。反応条件では、推進力を効果的に打ち消すパワー発揮が間に合わず、遠位―近位連鎖により衝撃を吸収することになり、制動距離が長くなったと考えられる。これらのことから、ストップスキルの運動学的特徴はブレーキ脚の股関節と膝関節間の近位―遠位連鎖にあることが示唆された。
対象者は大学男子バスケットボール部員12名であった。対象者は、5 mの助走後に加速し、7 mの加速―停止区間内で急停止するストップ課題を実施した。課題の急停止は自己タイミング(任意条件)と光刺激提示時(反応条件)の2条件を設けた。課題実施中の対象者を右側方から210 fpsにて撮影し、この映像を2次元動作解析に供した。ストップ課題において、制動のための最初の一歩で踏み出した脚をブレーキ脚、停止前の最後の一歩に踏み出した脚をストップ脚と定義した。ブレーキ脚が右脚の試技を分析対象とした。ブレーキ脚接地時とストップ脚接地時の重心位置の差を制動距離とした。矢状面上での右股関節角速度変化と右膝関節角速度変化を計算した。制動距離、および膝関節最大角速度と股関節最大角速度の出現タイミングの差(ピークタイミング差)に条件間の差があるかどうかを検討するために対応のあるt検定を実施した。
条件間の制動距離の差に有意性が認められ(t = -2.740,p = 0.021)、任意条件で反応条件よりも短かった。ピークタイミング差は任意条件で正、反応条件で負の値となり、条件間の差に有意性が認められた(t = 3.221,p = 0.010)。
股関節最大伸展角速度と膝関節最大伸展角速度の生じるタイミングは、任意条件で股関節が膝関節に先行した。近位―遠位連鎖により、進行方向の推進力を効果的に打ち消したと考えられる。一方、反応条件では膝関節が股関節に先行した。反応条件では、推進力を効果的に打ち消すパワー発揮が間に合わず、遠位―近位連鎖により衝撃を吸収することになり、制動距離が長くなったと考えられる。これらのことから、ストップスキルの運動学的特徴はブレーキ脚の股関節と膝関節間の近位―遠位連鎖にあることが示唆された。