16:10 〜 16:50
[スポーツ文化-SC-2] 無形文化財として応援団文化を保存する
<演者略歴>
早稲田大学大学院人間科学研究科博士後期課程満期退学。博士(人間科学)。専門はスポーツ人類学。早大助手、上智大学講師等を経て、現在は鳥取大学教育支援・国際交流推進機構 准教授。研究対象は岡山県の会陽文化、沖縄県の綱引き文化、旧制学校より伝わる応援団文化と、幅広く日本の身体文化に関して研究している。
早稲田大学大学院人間科学研究科博士後期課程満期退学。博士(人間科学)。専門はスポーツ人類学。早大助手、上智大学講師等を経て、現在は鳥取大学教育支援・国際交流推進機構 准教授。研究対象は岡山県の会陽文化、沖縄県の綱引き文化、旧制学校より伝わる応援団文化と、幅広く日本の身体文化に関して研究している。
スポーツ人類学とは、文化人類学の研究手法を取り入れてスポーツ文化の動態を研究する領域である。発表者も、これまでに多くの参与観察を実践し研究を進めてきたが、いつも直面するのがそのアーカイヴの難しさである。スポーツ文化に限らず無形文化とは、常にフィールドの「刹那」の中に存在し、その動態を捉え考察するには「現在(いま)」を克明に記録する必要があり、重要な課題となる。本シンポジウムではその一例として応援団文化のアーカイヴ実践を報告する事とする。発表者は長年に渡り応援団の文化研究を進めているが、その文化を学校空間にて生成された近代日本文化であり、ひとつの無形文化財と位置づけている。さて、昨年来猛威を振るう新型コロナウィルスは、応援団文化の継承にも大きな影響を及ぼしつつある。なぜなら、長引く活動停止は4年で文化継承者が入れ変わる学生活動団体においては、一層大きな問題となるからである。本発表では、対面による対外活動が制限される中での彼らの文化継承の「現在」に注目し、動き(カタ)のアーカイヴを通した文化継承に関して、これまでの研究実践を披露し、今後のスポーツ人類学の知の活用に向けて考えてみたい。