16:50 〜 17:30
[スポーツ文化-SC-3] スポーツ文化の伝え方を考える
メディア報道の立場から
<演者略歴>
毎日新聞社論説委員(スポーツ担当)。1990年に入社し、運動部記者として4度のオリンピックのほか、野球、サッカー、大相撲など幅広く取材してきた。著書に『情報爆発時代のスポーツメディア』『スポーツ報道論』など。新聞連載「五輪の哲人 大島鎌吉物語」で2014年度のミズノスポーツライター賞優秀賞。
毎日新聞社論説委員(スポーツ担当)。1990年に入社し、運動部記者として4度のオリンピックのほか、野球、サッカー、大相撲など幅広く取材してきた。著書に『情報爆発時代のスポーツメディア』『スポーツ報道論』など。新聞連載「五輪の哲人 大島鎌吉物語」で2014年度のミズノスポーツライター賞優秀賞。
スポーツ報道の環境が「機械化」を余儀なくされている。2016年リオデジャネイロ五輪の頃から、人工知能(AI)を使って試合の結果を記者の手を介さずに報道する外国メディアが出てきた。日本でも2018年に朝日新聞が同社主催の夏の高校野球でAIに戦評を執筆させるシステムを開発し、今後、全国で本格導入する見通しという。
国内外を問わず、このような省力化が進む背景には、報道対象となるスポーツ分野の拡大や、スポーツ報道に携わる記者の削減があるとみられる。
2020年には新型コロナウイルスの感染拡大によって、取材環境はさらに変化を強いられた。現場での対面取材が制限されるようになり、代わって選手と接触せずにオンラインで取材する方式が主流となってきた。この状況はしばらく続きそうだ。
以前と同様、メディアはスポーツ情報を伝えることはできている。しかし、このような方法によって記事を作成・伝達することでどんな弊害が生まれるのか。スポーツを文化として世の中の人々に伝えることはできているのか。スポーツジャーナリズムの歴史にも触れながら、その意義や本来的な価値とは何かを考え、今後の報道のあり方を検討したい。
国内外を問わず、このような省力化が進む背景には、報道対象となるスポーツ分野の拡大や、スポーツ報道に携わる記者の削減があるとみられる。
2020年には新型コロナウイルスの感染拡大によって、取材環境はさらに変化を強いられた。現場での対面取材が制限されるようになり、代わって選手と接触せずにオンラインで取材する方式が主流となってきた。この状況はしばらく続きそうだ。
以前と同様、メディアはスポーツ情報を伝えることはできている。しかし、このような方法によって記事を作成・伝達することでどんな弊害が生まれるのか。スポーツを文化として世の中の人々に伝えることはできているのか。スポーツジャーナリズムの歴史にも触れながら、その意義や本来的な価値とは何かを考え、今後の報道のあり方を検討したい。