日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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健康福祉研究部会 » 【課題B】認知機能の維持・改善に運動・スポーツはいかに貢献するか

健康福祉研究部会【課題B】口頭発表②

2021年9月8日(水) 09:00 〜 10:10 会場24 (Zoom)

座長:木伏 紅緒(早稲田大学)

09:00 〜 09:20

[健康福祉-B-06] 背外側前頭前野に着目した超小型脳活動センサーによる脳活性度検証

*安光 達雄1 (1. PCY, Ltd.)

本研究の目的は、超小型脳活動センサー(XB-01)を着用してリアルタイムでの背外側前頭前野(DLPFC)に着目した脳活性度を把握し、脳の活性が認められたと報告されているプログラム及び脳の活性を促す可能性のあるプログラムが実際にどの程度の活性化状態であるかを検証した。参加者は、健康な20代から50代の男女各2名の計4名であった。実験中は、XB-01を装着してもらい、BluetoothでiPhoneと接続してデータを採取した。XB-01からのデータは、プログラム中の脳活動(血流量)を接続したiPhoneの画面上の色の変化でリアルタイムに表示され、その脳活動の結果が100点満点で評価された。脳活動を高めるといわれているプログラムなどを12種目21プログラムそれぞれ検証した。脳活性度を比較するために検出された上下位それぞれ4プログラムに対して分散分析を行った結果、プログラムの主効果が認められた(F(7,21)= 4.35, p<.05)。本研究において得点の上位は、デュアルタスクを用いた運動プログラムであった。先行研究において最も導入されていたウォーキングの得点は中間位だった。デュアルタスクを用いた運動プログラムでは、簡単すぎる内容では得点が低くなり、考えるスピードやテンポが速くなると得点が上昇した。しかし難易度が高かったり速くなりすぎると得点が低くなった。また、プログラムが正確にできていなくても最後まで継続して行うと得点は高くなった。本研究でDLPFCにおける血流変化に多様な事例が確認された。興味深いことにプログラム中は上昇せずにプログラム終了後に上昇して高得点になる事例も多く確認されたことからもプログラム直後も脳が活性化されていることが窺えた。これらの結果は、認知機能の予防と改善に役立つプログラムの開発において貢献できる可能性が示唆された。