日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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競技スポーツ研究部会 » 【課題B】競技スポーツにおけるコーチ養成をいかに効果的に行うか

競技スポーツ研究部会【課題B】テーマ別シンポジウム/パラ競技スポーツにおけるコーチ養成の現状とこれから

2021年9月8日(水) 10:45 〜 12:45 会場4 (Zoom)

コーディネーター:内田 若希(九州大学)、広瀬 統一(早稲田大学)

12:05 〜 12:45

[競技スポーツ-SB-3] 世界のパラスポーツ指導における指導論の特徴

*伊藤 雅充1 (1. 日本体育大学)

<演者略歴>
博士(学術)。NSSU Coach Developer Academyの運営責任者として100名以上の国際的なコーチデベロッパーを育成。国際コーチングエクセレンス評議会科学委員。開発途上国のパラスポーツコーチの育成にも尽力している。
国際コーチングエクセレンス評議会主催の世界コーチ会議において、パラスポーツを含む様々なスポーツ指導に関する議論が展開されている。そこでの議論は、運動実施者それぞれの文脈を踏まえ、その人の目標達成に向けて、その時の発達段階に適した支援を行っていくことが重要であるという、アスリートセンタードの概念が基盤となっている。そこには健常者や障がい者の別はない。ただ、対象者の特徴として、障害の種類や程度といった変数を考慮することが必要であるとされている。パラスポーツについては諸外国においても十分な知識が蓄積されているとは言えない。現在、EU圏内ではParaCoachEUプロジェクトが行われ、パラスポーツに関わる研究者や指導者らが協力して無償でパラスポーツ指導について学ぶことができるMOOCsの作成が進んでいる。また、国際スペシャルオリンピックス(SOI)においても、これまで指導者個人に任されていた指導に関する知恵を集積し、より高いレベルの指導者養成が可能なシステムを構築する方向で準備が進んできている。本シンポジウムでは、国際的な指導論の特徴と考えられるアスリートセンタードの概念と、ParaCoachEUやSOIなどの取り組み事例について紹介する。