日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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生涯スポーツ研究部会 » 【課題B】スポーツの産業化は生涯スポーツ・人・地域社会といかに関連するか

生涯スポーツ研究部会【課題B】テーマ別シンポジウム/Well-Beingの実現に向けて:生涯スポーツのこれからと社会・産業、そして人

2021年9月8日(水) 10:45 〜 12:45 会場5 (Zoom)

コーディネーター:松尾 哲矢(立教大学)、林 洋輔(大阪教育大学)
指定討論者:関根 正美(日本体育大学)

11:25 〜 12:05

[生涯スポーツ-SB-2] Well-Beingの実現とスポーツの産業化

*高橋 義雄1 (1. 筑波大学)

<演者略歴>
東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。名古屋大学を経て、筑波大学体育系に勤務。博士(スポーツウエルネス学)。スポーツ社会学やスポーツ経営学を用いてスポーツの産業化を研究。
Well-Beingの実現とスポーツの産業化を考察するためには、「誰」のWell-Beingの実現であり、そして「産業化」が何を意味しているのかを明らかにすることが必要だろう。そこで、本発表では「産業化」を「経済的付加価値を生み出す行為と化す」こととし、Well-Being実現の対象をより具体的にして論じてみたい。例えば、医療サービスで考えれば、医療関係者は、経済的付加価値を生み出す行為を提供しているため、医療は「産業化」しているともいえる。一方で、日本では国民皆保険制度によって原則として全国民が平等に保健医療を平等に受けられる機会が保障されている。翻って、スポーツ活動は、今日の産業化の潮流のなかで、Well-Beingを実現するためのスポーツ活動に関わる機会は公的な事業や制度によって保障されるだろうか。他方、人間の社会活動全体が経済活動化するなかで、スポーツの「産業化」は、スポーツ関連のサービスを提供する人々の生活を成立させている。以上のような考えを踏まえて、発表ではスポーツの「産業化」の現状を紹介し、「過剰な」スポーツの産業化とはどのようなことなのかについて考えてみたい。