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[スポーツ文化-C-06] 小学校におけるオリンピック・パラリンピック教育の成果の検討
児童を対象とした3年間の質問紙調査から
東京2020オリンピック・パラリンピック大会の開催に向けて、オリンピック・パラリンピック教育が進められてきたが、大会の延期を受けてその取り組みの多くは1年間延長され実施された。感染拡大後は、新型コロナウイルス感染防止の観点からさまざまな活動が制限される一方、オンライン機器や関連設備、コンテンツの整備が進み、これまでとは異なる取り組みが行われることともなった。スポーツ庁のオリンピック・パラリンピック・ムーブメント全国展開事業(全国展開事業)では、①スポーツ及びオリンピック・パラリンピックの意義や歴史に関する学び、②マナーとおもてなしの心を備えたボランティアの育成、③スポーツを通じたインクルーシブな社会(共生社会)の構築、⑤日本の伝統、郷土の文化や世界の文化の理解、多様性を尊重する態度の育成、をテーマに教育活動を進めてきた。テーマに沿ってさまざまな教育活動が展開される中、学校外から講師を招いての講演やスポーツ講習・体験などが多く行われ、その事前学習として「大会そのもの」についての学びが多く行われた。この事業では、2018年から事業の参加自治体の推進校において、教育プログラムに参加した小学校4年生以上の児童生徒を対象にアンケート調査を行った。調査項目は、オリンピック・パラリンピックやスポーツに対する興味と、教育テーマに沿った内容であった。推進校は、多くの自治体において小学校の比率が高かったが、その理由として、小学校ではクラス担任がほとんどの授業を担当するが、中高では教科担任制となることや、小学校は比較的学校規模が小さく、全校で統一したテーマに取り組みやすいことが考えられる。このことから、教育への取り組みや成果も校種ごとに検討する必要があると考え、本研究では全国展開事業の推進校の中でも小学校に焦点を当て、オリンピック・パラリンピック教育の実態と成果を検討した。