日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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体育科教育学口頭発表④

2021年9月9日(木) 13:00 〜 13:45 会場12 (Zoom)

座長:本多 壮太郎(福岡教育大学)

13:30 〜 13:45

[11 教-口-14] 体育分野における柔道の学習内容について

中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 保健体育編の変更点に関する一考察

*倉光 佑依1、柿山 哲治2 (1. 福岡大学大学院スポーツ健康科学研究科、2. 福岡大学スポーツ科学部)

平成20年3月に告示された学習指導要領の改訂により、中学校保健体育の体育分野では、従前において選択単元であった「ダンス」と「武道」を含む全ての領域を第1学年及び第2学年に必修で履修することが示された。

平成29年度に告示された中学校学習指導要領解説保健体育編(新学習指導要領)では、文部科学省が「武道」の領域において、「柔道、剣道、相撲、空手道、なぎなた、弓道、合気道、少林寺拳法、銃剣道」と武道種目を明確にし、選択の幅が広げたが、全国で約6割の中学校が「柔道」を実施していることが現状である。

また、体育分野の柔道の学習内容において、第1学年及び第2学年の「技能」では、投げ技での試合時間が、1分~2分程度とされていたものが、1分程度に、また、固め技の試合時間においては、10秒~20秒程度とされていたものが、10秒~15秒程度に変更された。さらに第3学年の固め技の試合時間も15秒~25秒程度とされていたものが、15秒∼20秒程度に変更された。これらの試合時間の変更は、小学校から高等学校までの12年間を見通し、発達の段階を踏まえて、指導内容を一層明確化・重点化する観点から、生徒の技能の程度や安全を十分に確保するなどに配慮したこと及び国際柔道連盟試合審判規定の中で、試合時間が4分間に統一されたことと固め技の「一本」の時間が、20秒に変更されたことなどが影響したものと思われる。

そこで本研究では、新学習指導要領(平成29年度告示)における柔道の学習内容の変更点を分析し、柔道授業の学習内容の課題を明らかにすることを目的とする。