日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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バイオメカニクス/口頭発表①

2021年9月9日(木) 10:00 〜 10:43 会場6 (Zoom)

座長:橋詰 賢(立命館大学)

10:30 〜 10:43

[05 バ-口-03] 計測範囲外の既知点および計測範囲の未知の対応点を用いたカメラパラメータ推定法の開発

*大島 雄治1 (1. 久留米大学 人間健康学部)

画像分析法により3次元動作分析を行うためには、カメラパラメータが既知のカメラを2台以上用いて、身体運動を撮影する必要がある。また、競技会場のルールで定められた特徴点やラインを用いてカメラパラメータを推定する手法は、これまでにいくつか提案されているが、それらの手法を用いる場合、身体運動を撮影した画像内に実空間の座標値が分かっている点(既知点)を撮影する必要がある。しかし、計測範囲によっては、既知点を用意できず、先行研究で提案された手法を用いることができない場合がある。そこで、本研究では、計測範囲外の既知点、計測範囲内については、3次元座標値が分からないが複数のカメラで撮影されている点(未知の対応点)を用いて、計測範囲を撮影した時のカメラパラメータを推定する手法を開発する。計測範囲の位置は陸上競技200m走の45m地点あたりとし、大きさは左右方向1.17m、進行方向8.00m、鉛直上向き方向2.00mとした。本研究では、3台のカメラを用いて実験を行った。撮影の手順について、まず、計測範囲を撮影できるように三脚の位置と焦点距離を決定した。決定後、カメラをパンニングおよびティルティングすることで、計測範囲外の既知点を撮影し、再び、計測範囲を撮影できるように三脚のJointの回転角度を調整し、固定した。その後、計測範囲の任意の位置に点を設置し、それらを3台のカメラで撮影した。同様に、精度検証用マーカーを撮影した。計測範囲外の既知点を撮影した画像、計測範囲の未知の対応点を撮影した画像から、計測範囲撮影時のカメラパラメータを最適化計算で推定し、精度検証用マーカーの3次元座標値を再構築した。精度検証用マーカーから成る空間の重心に対する、再構築した座標値の標準誤差は、1.6から7.6 mmであった。この結果から本研究の提案手法により、3次元動作分析が可能であるといえる。