日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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バイオメカニクス/口頭発表③

2021年9月9日(木) 14:30 〜 15:13 会場6 (Zoom)

座長:阿江 数通(茨城県立医療大学)

14:30 〜 14:43

[05 バ-口-07] 男子ゴルファーのドライバーショットにおけるフルショットとコントロールショット時のキネティクスの比較

*平野 智也1、阿江 通良2、柏木 悠3、木原 祐二2、嶋谷 誠司4、角田 直也1、船渡 和男1 (1. 国士舘大学大学院スポーツ・システム研究科、2. 日本体育大学、3. 専修大学スポーツ研究所、4. 神奈川大学)

【背景】ミドルホールやロングホールにおいて、ゴルファーはそのホールの広さによってドライバーショットの飛距離や方向を調節している。しかしながら、ドライバーショットにおいて同一個人が飛距離を調節した際のキネティクス的特徴は明らかとなっていない。【目的】ドライバーショットにおけるフルショットとコントロールショット時のキネティクスを比較し、フルショット時のスイングの特徴を明らかにすること。【方法】27名の男子ゴルファー(プロゴルファー8名、学生ゴルファー19名)が本研究に参加した。試技は、各自のドライバーを用いて、フルショット(広いホールで飛距離を狙うことを意識)とコントロールショット(方向性を重視してフェアウェイの中央に狙うことを意識)を行った。2台のフォースプレート(Kistler社製)を用いて、スイング中に両脚が発揮した力を計測した。静止座標系はアドレスにおける身体前方向をX軸(内外成分)、ターゲット方向をY軸(前後成分)、鉛直上向き方向をZ軸(鉛直成分)と定義した。計測した力データから地面反力最大値およびZ軸まわりのフリーモーメント等を算出した。【結果および考察】クラブヘッド速度はコントロールショットと比較してフルショットで大きな値を示した。また、ダウンスイング中の前脚における内側、後方および鉛直成分の地面反力はコントロールショットよりもフルショットで大きな値を示し、後脚では前方成分の地面反力のみフルショットが大きな値を示した。全体のフリーモーメントはコントロールショットよりもフルショットで大きかった。以上の結果から、ゴルファーがドライバーでフルショットを行う際には、主として前脚での力発揮を増大させることにより、回転動作に関わる身体やクラブの角速度が高められ、飛距離が増大するものと推察された。