日本体育・スポーツ・健康学会第72回大会

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生涯スポーツ研究部会 » 【課題A】 共生社会の実現に向けた生涯スポーツ政策と協働システムをいかに構築するか

生涯スポーツ研究部会【課題A】口頭発表①

2022年8月31日(水) 11:00 〜 12:03 第6会場 (2号館1階11教室)

座長:内田 匡輔(東海大学)

11:00 〜 11:15

[生涯スポーツ-A-01] 中学校運動部活動の地域移行における学校及び地域関係者の認識と課題(政,社)

子どもを主語として円滑な移行のための条件に関する考察

*麻原 恒太郎1 (1. 日本体育大学大学院)

本研究は中学校運動部活動地域への移行において子どもたちにとって最善のあり方を実現させるための政策を見出す事を基本理念とし、2023年度からの「休日の中学部活地域移行」において生徒誰もが運動部活を選択でき、その継続を可能とする地方自治体の政策について考察することを目的とした。
方法:フィールドをM市(24万人)とし、対象者を部活顧問、競技団体役員、スポーツ推進員役員、PTA役員、総合型地域スポーツクラブ役員、公民館の役員、地区スポーツ協会役員に半構造化インタビュー調査を実施した。
結果(N=9):職務は会長4、理事長・理事3、その他2、中学校での運動部活動経験有8、公認指導者資格保有2、審判資格保有5であった。休日の地域移行を知っていた5、なんとなく知っていた4、所属団体の地域移行への協力についてとてもそう思う6、ややそう思う3、具体的なアクションについては検討をしている2、検討をしようとしている2、アクションはない4、経済的・時間的理由で部活動を諦めざるを得ない生徒が出ないようにする事について、諦めるようなことは絶対あってはならないと思う5、ある程度出ても仕方ないと思う4であった。
 インタビューでは、移行を受け入れる側の「地域」の定義がされていない事、指導者の質・量の確保・賠償責任保険の整備、練習施設確保・使用料減免、山間部と市街部との格差等が課題として示された。また、学校と地域がコミュニティスクールにおいて従来から積み上げてきた関係を活かす事、今回の移行を契機として、学校課題のみならず地域課題の解決や生徒自らが考えて運営する能力を高める等、発想の元となる意見が得られた。
まとめ:地域部活動では、①スポーツで仲間と楽しむ、②競技力向上に応える、③小学生や地域との交流、の3Wayが見えてくる。今後、中学生・その保護者、スポーツ少年団役員等へのインタビューを行う等、さらなる検討が必要である。