日本体育・スポーツ・健康学会第72回大会

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生涯スポーツ研究部会 » 【課題A】 共生社会の実現に向けた生涯スポーツ政策と協働システムをいかに構築するか

生涯スポーツ研究部会【課題A】口頭発表②

2022年8月31日(水) 11:00 〜 11:47 第7会場 (2号館1階12教室)

座長:綿引 清勝(いわき短期大学)

11:32 〜 11:47

[生涯スポーツ-A-07] 障害者および障害者スポーツに対する意識の変化に関する研究(ア)

*藤田 紀昭1 (1. 日本福祉大学)

東京でのパラリンピック開催が決定後、多くの人々がパラリンピックや障害者スポーツに注目するようになった。新聞やテレビにおいてもパラリンピックに関する話題が多く取り上げられた。これらが人々の意識などに何らかの影響を与えていることが推察される。人々の障害者に対する意識がより肯定的になることは、パラリンピック自国開催による無形のレガシーの一つと言える。そこで、本研究ではパラリンピック国内開催が決定して以降、障害者や障害者スポーツに対する人々の意識がどのように変化したかを明らかにした。
 本研究では2014年、2016年、2018年、2019年、2020年、2021年に障害者および、障害者スポーツに関するインターネットを利用したアンケート調査を実施した。回答者は委託した社会調査会社に登録されているモニター約130万人から希望した2066名(各年とも同じ)であった。質問項目は障害者に関する質問が5問、障害者スポーツに関するものが5問計10問に対して5件法にて回答してもらった。
 その結果、障害者に対する意識も、障害者スポーツに対する意識も徐々にポジティブになってきていることが明らかになった。とりわけ2021年の調査結果は過去の調査結果と比較すると高い水準であった。
 パラリンピック国内開催決定以降、テレビや新聞、SNS等のメディアで取り上げられることが増えたこと、学校でパラリンピック教育が数年にわたって展開されたこと、各地で障害者スポーツ啓発イベントが開催されたこと、そして、2021年にパラリンピックが東京で開催されたことなどが影響していると考えられる。