The 72nd Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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スポーツ文化研究部会 » 【課題C】多様なスポーツ文化の保存・流通・促進をいかに刷新していくか

Strategies for Penetration of Sports Culture (2): The science of transmission and inheritance of physical culture

Thu. Sep 1, 2022 5:00 PM - 6:50 PM 第8会場 (2号館2階21教室)

Chair: Hiroshi Kubota (Tokyo Gakugei University), Shota Ogawa (Nippon Sport Science University) Designated Debater: Takanori Ishii (Nippon Sport Science University)

[スポーツ文化-SC-2] The transmission-reception-connection of “kinaesthetic ability” as a physical culture and the kinaesthetic encounter

*Nakamura Tsuyoshi1 (1. University of Tsukuba)

<演者略歴>
2006年14月11日~2012年19月30日 埼玉大学教育学部准教授
2012年10月11日~11111現在     筑波大学体育系准教授
シンポジウムでは、スポーツ運動学の立場から「身体文化としての〈わざ〉の伝承と動感出会い」というテーマでお話しする。この〈わざ〉は「歴史的にも、社会的にも、その伝承価値を保有している運動文化財」(金子, 2002, p.403)を意味する。
 この運動文化財としての〈わざ〉の伝承は、彫刻や絵画などの有形文化財の継承とはずいぶんと違った様相を呈する。それは〈わざ〉の動感能力(金子, 2005, p.44)が人から人に受け継がれることで成立する。つまり〈わざ〉の承け手が、そうした能力をわが身に発生させられるかどうかが鍵を握る。伝え手がかつて習得した〈わざ〉を承け手に伝えようとしても、相手に動感能力が発生しなければ伝承は不成立に終わる。
 こうして〈わざ〉の伝承で中核に据えられるのは、承け手の能力発生ということになる。そしてそこでは、伝え手が承け手の内在的な能力発生の営みに「いかにして出会うことができるのか」ということが前景に立てられることになる。
 当日は、伝え手と承け手のあいだに伝承関係系が成立する上で不可欠な〈動感出会い〉についてお話しすることにしたい。
文献
金子明友(2002)わざの伝承.明和出版.
金子明友(2005)身体知の形成(下).明和出版.