日本体育・スポーツ・健康学会第72回大会

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学校保健体育研究部会 » 【課題B】 保健体育授業をいかに良質なものにするか

学校保健体育研究部会【課題B】口頭発表②

2022年9月1日(木) 09:00 〜 09:47 第2会場 (3号館4階401教室)

座長:細越 淳二(国士舘大学)

09:32 〜 09:47

[学校保健体育-B-06] 中学保健の知識定着度および活用意識に影響を及ぼす要因(測)

大学生を対象として

*大坪 健太1,2、春日 晃章3、小栗 和雄4、篠田 知之5、東海林 沙貴6、小椋 優作7 (1. 兵庫教育大学大学院、2. 日本学術振興会特別研究員(DC2)、3. 岐阜大学、4. 岐阜聖徳学園大学、5. 岐阜協立大学、6. 中部学院大学、7. 中部学院大学短期大学部)

本研究は、大学生を対象に、中学校保健の知識について調査し、その定着度および保健知識の活用意識と保健授業・健康に関する意識および情報取得媒体との関係について検討することを目的とした。対象は、大学および短期大学に通う665名であった。中学校保健の知識の調査には、中学の教科書より学習指導要領の各単元内容に対応させた計72問の問題を作成した。得られた回答より合計正答数を算出するとともに、平均値と標準偏差を用いて3段階に区分した。保健知識の活用意識、中学時代の保健授業への意欲および価値認識、現在の健康関心度の4項目(保健授業および健康に関する意識)と、中学時代の学業成績を問う項目の計5項目についてそれぞれ5段階で回答を得たのち、3段階に再区分したデータを分析に用いた。加えて、健康情報を取得する媒体(医者・専門家、友人・家族、テレビ・ラジオ、インターネット、新聞、書籍)の有無について調査した。保健知識の定着度および活用意識と保健授業・健康に関する意識および情報取得源との関連について検討するため、χ2検定および残差分析を適用した。
 分析の結果、保健知識の定着度と有意な関連が認められた項目は、保健授業への意欲、学業成績および現在の健康関心度の3項目であった。知識の活用意識では、保健授業への意欲、価値認識および健康関心度の3項目において有意な関連が認められた。なお、保健知識と活用意識において有意な関連は認められなかった。また、情報取得媒体の有無との関連について、知識定着度とテレビ・ラジオ、インターネットおよび書籍との間に、知識の活用意識と友人・家族、新聞および書籍との間にそれぞれ有意な関連が認められた。これらのことから、大学生の中学校保健の知識定着度および活用意識の高さの直接的な関連性は弱く、知識の定着度と活用意識の向上にはそれぞれ異なる要因が影響していることが示唆された。