日本体育・スポーツ・健康学会第72回大会

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ポスター発表(専門領域別)

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体育方法(偶数演題) ポスター発表

2022年9月2日(金) 13:00 〜 14:00 第一体育館バスケ1 (第一体育館バスケ)

[09方-ポ-24] プロテニスプレイヤーにおけるダブルスへのキャリア選択の可能性

*坂井 利彰1 (1. 慶應義塾大学)

プロテニス選手にとって、シングルスプレイヤーとなるのか、ダブルスプレイヤーとなるのか、またはシングルスとダブルスを両立していくのかは、キャリアを構築するうえで重要な選択である。筆者はこれまでの研究で、20歳の時点で男子シングルス世界ランキングが100位にランクインしているか否かで、選手は早熟型と晩成型に分けられ、晩成型は早熟型のランキングを生涯にわたり超えられないというプロテニス界の構造を明らかにしてきた。すなわち、20歳の時点で100位にランクインしなかった晩成型選手はシングルスプレイヤーとして100位ランクインを目指すのか、ダブルスプレイヤーとしてより上位のランキングを目指すのかを選択することとなる。現状ではダブルスに専念する選手は少数派である。そこで、シングルスプレイヤーとしての限界や、ダブルスプレイヤーに転向することで得られる可能性を計量的に提示することで、キャリアに悩む晩成型選手をサポートすることが本研究の目的である。1,470名のプロテニス選手を対象として、全出場試合のうちダブルスの占める割合が生涯獲得賞金や最高ランキングにいかなる影響を及ぼしているかを求めた。その結果、早熟型選手はシングルスに注力することで生涯獲得賞金やランキングが上昇するが、晩成型選手は早い段階でダブルスプレイヤーに転向することが生涯獲得賞金の上昇に有効であることが明らかになった。