日本体育・スポーツ・健康学会第72回大会

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ポスター発表(専門領域別)

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体育心理学(奇数演題) ポスター発表

2022年9月2日(金) 10:00 〜 11:00 第一体育館バレーボール1 (第一体育館バレーボール)

[03心-ポ-09] スポーツにおける組織コミットメントの関連要因に関する研究

バーンアウトとソーシャルサポートに着目して

*折茂 紗英1、高井 秀明2 (1. 日本体育大学大学院、2. 日本体育大学)

組織コミットメントは、「組織に所属する個人が自組織に対して抱く心理的な関係」と定義されており(Allen and Meyer,1990)、関連要因としては、バーンアウトが医療分野でしばしば取り上げられており、組織コミットメントがバーンアウトを抑制すると報告されている(e.g., Enginyurt et al., 2016)。また、スポーツ分野ではバーンアウトの抑制にソーシャルサポートが有効であると報告されている(土屋・中込,1994)。さらに、中学校の部活動ではソーシャルサポートを受け取ると部活動への適応感が高まることが示唆されており(越・関澤,2009)、ソーシャルサポートが組織コミットメントに及ぼす影響は大きいものと考えられる。以上のことから、本研究ではソーシャルサポートとバーンアウトから、組織コミットメントを取り巻く要因について明らかにすることを目的とした。調査は、2021年Z月中旬にA大学内の学友会運動部および運動系の同好会・サークルに所属する大学生231名を対象とし、Webアンケートを用いて実施した。得られた回答のうち、回答に不備があった者を除く201名(男性101名、女性100名、平均年齢20.63±0.56歳)を分析対象者とした。調査対象者には、スポーツ版組織コミットメント尺度(折茂・高井,2021)、日本語版ARSQ-J(片上・土屋,2015)、大学生スポーツ競技者版バーンアウト尺度(雨宮ほか,2013)への回答を求めた。強制投入法による重回帰分析の結果、ソーシャルサポートから組織コミットメントに対する正の標準偏回帰係数が有意であった。また、組織コミットメントからバーンアウトに対する負の標準偏回帰係数が有意であった。本研究から、クラブメイト同士のつながりが組織コミットメントを高め、組織コミットメントはバーンアウトを抑制することが明らかとなった。