The 72nd Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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Poster (Subdiscipline)

専門領域別 » 体育心理学

体育心理学(奇数演題) ポスター発表

Fri. Sep 2, 2022 10:00 AM - 11:00 AM 第一体育館バレーボール1 (第一体育館バレーボール)

[03心-ポ-25] プレーや調子の良い時や悪い時の知覚の変化や錯覚

*Akira Anii1 (1. University of Teacher Education Fukuoka)

打撃が好調な野球選手は、“ボールが大きく見える”といった対象の大きさに変わりがないにも関わらず、その見え方や感じ方に錯覚が生じることがある。本研究では、プレーや調子の良い時や悪い時の知覚の変化や錯覚について、実際の事象を収集し、ボールやグランドなどの実際に見たり感じたりする知覚対象とその大きさや広さといった知覚属性により分類を行い、実際にどのような知覚の変化や錯覚が生じているかについて明らかにする。スポーツ・保健体育系の専攻等に所属する大学生及び大学院生の751名に調査を行った。「良い(悪い)プレーの時や調子が良い(悪い)時に、今まであなたが、実際に経験した感じや感覚はどのようなものがありましたか。例えば、野球のバッティングで、ヒットが打てる(打てない)時は、ボールが大きく(小さく)見えるといった感覚です。」という質問に自由記述形式で回答させることで事象を収集した。さまざまな運動種目において、プレーや調子の良い時の知覚の変化や錯覚は421項目、悪い時の知覚の変化や錯覚は431項目の事象を収集した。この事象を質的研究法のKJ法により分類を行った。その結果、プレーや調子の良い時や悪い時の知覚の変化や錯覚は、知覚対象から、用具、場所、自分の身体、相手の身体、視野、相手の動き、用具の軌道、自分の動き、時間、音、用具の動き、自分の軌道の12のカテゴリーに分類できた。また、知覚属性から、重さ、見え方、距離、速さ、大きさ、高さ、広さ、感じ方、長さ、聞こえ方、予測、硬さの12のカテゴリーに分類できた。このようにプレーや調子の良い時や悪い時の知覚の変化や錯覚は、物理的な知覚対象やその属性が変化していないのも関わらず、用具や競技場などのさまざまな対象やその大きさや広さといったさまざまな属性の見え方や感じ方において生じていた。