[10保-ポ-01] 女子短期大学生の体温と身体特性、食事および生活習慣との関連性について
体温調節は生体の恒常性維持のために非常に重要な生理機能の1つである。特に女性に多いと指摘される低体温は基礎代謝や免疫機能の低下をもたらし、様々な疾病の要因ともなりうる。また低いBMI値や朝食の摂取、脂肪などの栄養素の摂取量が体温調節機能に影響を及ぼす可能性も示唆されている。過去2年間以上にもわたる新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延によって、日常的な体温測定が生活の一部として定着してきており、自分の体温に興味を持った学生も多いと思われる。特に若年女性では病気などによる発熱はもちろん、体温(平熱)や生理に伴う体温変化にも関心を持つことが求められる。本研究では、女子短期大学生の体温(平熱)を調べ、特に体温が低い学生の身体特性や食事および生活習慣との関連性について検討した。本研究では愛知県下5校の短期大学に在籍する女子学生対象に、Google Formsを利用して、2022年4月に質問調査を実施した。その結果253人(平均年齢19.3±0.5歳)から回答が得られた。253人の中で体温が35.0~35.9℃の学生は52人(20.6%)、36.0~36.9℃が199人(78.7%)、35.0℃未満と37.0℃以上が各1人(0.4%)であった。COVID-19の影響もあり、体温を「毎日測定している」学生は81人(32.0%)、「ときどき測定している」113人(44.7%)、「ほとんど測定しない」23名(9.1%)、「まったく測定しない」8人(3.2%)、「体調不良の時のみ測定」28人(11.1%)であった。COVID-19の流行前に、基礎体温を測定・記録したことのある学生は102人(40.3%)であった。COVID-19の蔓延によって、自分自身の体温に対して「興味が高くなった」と回答した学生が83人(32.8%)、「少し高くなった」学生が110人(43.5%)であった。COVID-19の蔓延という状況下で、体温に関する興味関心の高まりがうかがわれた。