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[10保-口-03] 女子大学生の健康意識及び食習慣に与えたコロナ禍の影響について
【背景】2020年度~2022年度の新型コロナ感染症の感染拡大によって、大学でも多くの変化を余儀なくされた。この変化により、学生は大学へ登校しない、座位時間が長くなる等、これまでとは異なる学生生活を送ることとなった。現在はコロナ禍以前の状態を取り戻しつつあるが、コロナ禍が学生の健康意識や食習慣に大きな影響を与えたと推察される。【目的】コロナ禍での生活が学生の健康や食習慣に与えた影響を把握し、学生生活支援や健康教育の一助となる基礎資料を得ることを目的とした。【方法】調査期間は、①対面授業が一部再開した2021年10月、②対面授業が完全再開した2023年5月であった。S女子大学に所属し、対面授業を受講している学生1年次~4年次の女子学生133名(2021年10月)および100名(2023年5月)の学生を対象とした。調査は、WEBアンケート調査および簡易型自記式食事歴法(BDHQ)を用いた食事調査を実施した。なお、本調査は、昭和女子大学倫理委員会の承認を得て行われた。【結果・考察】コロナ禍で健康意識や健康的な食生活への意識が高まり、現在もその傾向が継続していることが示された。しかし、コロナ禍を経て、運動不足であると感じている者や体力について不安を感じている者の割合が高い傾向であった。さらに、食習慣においても、欠食の割合増加といった食生活の乱れは示唆されなかったものの、脂質が多く栄養に偏りがある食事内容になっている可能性があることが示唆された。注視する点として、健康や食事に関する知識をインターネットから入手する機会が多いことが示されたが、根拠が不明確な情報が流布していることも考えられるため、 適切な知識を取得できていない可能性が懸念される。運動や食事に関する健康教育の実施や大学からの適切な情報提供を行うことが、コロナ禍を経た学生への健康的な生活の形成の一助になると考える。