日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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ポスター発表(専門領域別)

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発育発達/ポスター発表

2023年9月1日(金) 10:00 〜 11:00 RY205 (良心館2階RY205番教室)

[07発-ポ-07] 小学4、5年生と担任教諭とにおける唾液中コルチゾル濃度の関連

*笠井 茜1、鹿野 晶子1、野井 真吾1 (1. 日本体育大学)


【背景】日本の子どものメンタルヘルス問題は、国際的にも憂慮される現代的健康課題である。我々はその一因であるストレスに着目し、ストレスの客観的指標であるコルチゾルを用いて、子どもと担任教諭の間で昼時点のそれが関連する可能性を見出した。だが、この検討では唾液中コルチゾル濃度を高濃度群、低濃度群と大別していたため、各濃度群の検体を細分化して検討する必要がある。そこで本研究では、子どもと担任教諭の唾液中コルチゾル濃度の関連について引き続き検討を行った。【方法】対象は、東京都内の公立A小学校に在籍する者のうち、研究協力の同意が得られ、かつ各種データの欠損がなかった小学4、5年生111名と担任教諭4名とした。子どもと担任教諭の唾液検体を1時限目開始前(以下、朝)と昼食前(以下、昼)の2時点で採取し、酵素結合免疫吸着測定法を用いて唾液中コルチゾル濃度を測定した。加えて、子どもには前日の就床時刻と当日の起床時刻を質問紙で尋ねた。分析では、朝、昼の唾液中コルチゾル濃度および2時点間の反応面積(AUCi、AUCg)を目的変数、子どもの性別、学年、起床時刻、就床時刻、担任教諭のストレス(朝>昼、朝<昼)を説明変数に投入した重回帰分析(強制投入法)を行った。結果の統計的有意差は危険率5%未満の水準で判定した。【結果および考察】本研究の結果、朝の唾液中コルチゾル濃度、AUCiと起床時刻との間に有意な正の関連を示した。一方、昼の唾液中コルチゾル濃度およびAUCgでは起床時刻を含めたすべての変数との間に有意な関連は認められなかった。以上の結果から、起床時刻は朝の唾液中コルチゾル濃度およびAUCiに影響する可能性が示された。また、昼の唾液中コルチゾル濃度は統計的に有意な関連は認められなかったものの、担任教諭のストレスとの間で最も高い回帰係数も得られ、更なる検討の必要性が示唆された。