日本歯周病学会60周年記念京都大会

講演情報

一般演題ポスター

微生物

一般演題ポスター
微生物(臨床)

2017年12月16日(土) 09:00 〜 17:00 ポスター会場 (さくら)

P-035~P-045
(ポスター討論:11:40~12:30)

[P-039] 高校女子アスリートを対象にした口腔プロバイオティクスの効果の検討

Effects of oral probiotics on female high school students athlete

松岡 隆史1,首藤 由佳2,3,福田 治洋1,海老 久美子2/Takashi Matsuoka1,Yuka Syudo2,3,Haruhiro Fukuda1,Kumiko Ebi2 (株式会社 湖池屋1,立命館大学スポーツ健康科学研究科2,立命館守山中学校・高等学校3/KOIKE-YA Inc.1,Ritsumeikan University, Guraduate School of Sport and Helth Science2,Ritsumeikan Moriyama Junior & Senior High School3)

研修コード:3003

キーワード:プロバイオティクス、Lactobacillus salivarius、スポーツ歯科

【目的】アスリートは糖質の摂取量が多いなど齲蝕や歯周病のリスクが高い。既に歯周病の原因菌を抑制するプロバイオティクスとしてLactobacillus salivarius TI2711株(LS1と略す)を単離し,成人を対象とした試験は実施しているが,高校女子アスリートを対象とした研究はない。そこで本研究では高校女子アスリートにLS1含有錠菓を服用させ,口腔内の影響について検討した。
【材料と方法】対象者は同意が得られた高校女子ハンドボール部員19名とし,内歯列矯正中2名を除外した。対象者にはLS1含有錠菓を1日3回1回1錠12週間連日服用させた。服用開始前と服用12週後に口腔内診査と唾液を採取した。口腔内診査はPCR,PD,BOP,唾液は,唾液量,pH,総菌数,細菌数を測定した。
【結果と考察】12週間の服用前後の臨床所見は,平均値でPCRが64.0±12.8%から25.2±14.4%,平均PDが2.4±0.2mmから2.2±0.1mm,BOPが17.8±11.1%から2.5±3.4%へといずれも有意に減少した。唾液量に有意な増減は見られなかったがpHは7.3から7.6へ有意に増加した。さらに細菌数ではFnが中央値で9.3×106から3.3×106へ有意に減少した。以上のように女子アスリートにおいても,LS1服用により臨床所見が改善し,歯周病関連細菌の有意な減少が認められた。女子アスリートが口腔ケアにLS1を加えることで,口腔内をより良好に保つことができる可能性が示唆された。
【結論】口腔プロバイオティクスであるLS1は,高校女子アスリートの口腔ケアに有効となる可能性が示唆された。