日本歯周病学会60周年記念京都大会

講演情報

一般演題ポスター

微生物

一般演題ポスター
微生物(臨床)

2017年12月16日(土) 09:00 〜 17:00 ポスター会場 (さくら)

P-035~P-045
(ポスター討論:11:40~12:30)

[P-041] 太陽電池付与酸化チタン内蔵電動歯ブラシの口腔バイオフィルム除去効果

Effects of solar-powered titanium dioxide electric toothbrushes on oral biofilm

佐藤 武則,渡辺 清子,合田 征司,浜田 信城/Takenori Sato,Kiyoko Watanabe,Seiji Goda,Nobushiro Hamada (神奈川歯科大学大学院歯学研究科 口腔科学講座/Department of Oral Science, Graduate School of Dentistry, Kanagawa Dental University)

研修コード:2504

キーワード:酸化チタン、電動歯ブラシ、口腔バイオフィルム

【目的】本研究では,太陽電池付与酸化チタン内蔵電動歯ブラシと太陽電池量の違いによるバイオフィルム除去効果の検討を行なった。
【材料および方法】実験には太陽電池付与酸化チタン内蔵電動歯ブラシと太陽電池を接続した酸化チタン棒を用いた。供試菌はPorphyromonas gingivalis ATCC 33277 株を通法に従い培養して用いた。電動歯ブラシのバイオフィルム除去効果は,円形カバーグラスに形成させたバイオフィルムに歯ブラシの毛先を接触させて機械的振動を昼光色 6Wの蛍光灯を7cmの距離から照射しながら1分間行なった後,カバーグラスを1% クリスタルバイオレット液で染色し,アルコール脱色後に得られた色素液の濃度を測定し評価した。酸化チタン棒単独によるバイオフィルム除去効果は,供試菌のバイオフィルムを24ウェルプレート内に直接形成後,酸化チタン棒を1mlリン酸緩衝液を加えたウェル内に挿入して蛍光灯を照射して,経時的に除去されたP. gingivalis菌体を含むリン酸緩衝液の濁度を測定して評価した。
【結果および考察】太陽電池付与酸化チタン内蔵電動歯ブラシのP. gingivalisバイオフィルム除去率は90.1%であった。また電流量の違いについては,2倍量の太陽電池酸化チタン棒を用いた場合では1倍量の場合と同様に照射時間に依存してバイオフィルムを除去し,1倍量よりも顕著な除去効果が認められた。以上の結果から,酸化チタンの光触媒効果と太陽電池の電流は口腔バイオフィルムを高率に除去し歯周病予防に貢献することが示唆された。