*埴岡 健一1 (1. 国際医療福祉大学大学院医療福祉ジャーナリズム分野)
セッション情報
公募シンポジウム
シンポジウム2:医療計画等におけるロジックモデル活用の現状と課題~策定から進捗管理と評価に向けて~
2024年10月29日(火) 14:55 〜 16:30 第2会場 (札幌コンベンションセンター 大ホールB)
座長:今村 知明(奈良県立医科大学公衆衛生学講座)、埴岡 健一(国際医療福祉大学医療福祉ジャーナリズム分野)
【目的】
●背景:2024年度から都道府県第8次医療計画が始まった。2023年3月末の厚生労働省の医療計画に関する医政局長通知において、従来からの「施策及び事業評価の際には、施策及び事業の結果(アウトプット)のみならず、地域住民の健康状態や患者の状態、地域の医療の質などの成果(アウトカム)にどのような影響(インパクト)を与えたかという観点を踏まえる」との趣旨に、「施策の検討及び評価の際にはロジックモデル等のツールの活用を検討する」と追記された。また、課長通知にはロジックモデルの模式図も掲載された。それにより第8次医療計画では半数程度の都道府県が医療計画にロジックモデルを掲載した。「ロジックモデルの活用」によってアウトプットとアウトカムの関係が明確となり、効果の観点を重視した政策の評価と改善が進むと期待されている。
●課題:ロジックモデルを掲載した県とそうでない県に分かれた。ロジックモデルを掲載した県においても、ロジックモデルの整合性が高い県と低い県に分かれた。また、ロジックモデルと計画本文の不整合もみられた。評価に必要な指標の選定が不十分な県もあった。このような計画の質の差が生じており、計画の質の均てん化(あまねく質が高い状態)が求められる。
●目的:本シンポジウムでは、第8次医療計画におけるロジックモデルの活用状況を概観したのち、好事例を参照した上で、現在の課題とその解決法を探る。
【方法】4つの発表を聞く。〔演者1〕都道府県第8次医療計画におけるロジックモデル活用の現状と課題を概観する。〔演者2〕新興感染症予防分野におけるロジックモデル活用の現状と課題を明らかにする。〔演者3〕ロジックモデルを第7次医療計画から導入した先行県からロジックモデルの評価への活用などについて教訓を得る。〔演者4〕医療圏単位でロジックモデルを策定し地域医療構想と医療計画を一体的に運用する地域の事例を知る。4つ発表と指定発言を踏まえて、これから取り組むべきことをディスカッションする。
【結果】ロジックモデルの整合性およびロジックモデルの活用に関して、地域差が生まれていると同時に、好事例も生じている。
【結論】ロジックモデルを活用し、地域の計画を可視化して比較することで、計画の質の均てん化が促され、ひいては計画のアウトカムが高められる可能性がある。
*前村 聡1 (1. 日本経済新聞)
*高嶺 公子1 (1. 沖縄県庁)
*守本 陽一1 (1. 兵庫県豊岡保健所)