*池原 賢代1 (1. 大阪大学大学院医学系研究科社会医学講座公衆衛生学)
セッション情報
公募シンポジウム
シンポジウム18:飲酒と公衆衛生:飲酒による健康リスク
2024年10月30日(水) 09:00 〜 10:35 第2会場 (札幌コンベンションセンター 大ホールB)
座長:神田 秀幸(岡山大学学術研究院医歯薬学域公衆衛生学)、金城 文(鳥取大学医学部社会医学講座環境予防医学分野)
アルコールは、依存など精神疾患の危険因子であるだけでなく、身体の健康を脅かす主要な危険因子でもあります。アルコールが関連する身体疾患は、食道、肝臓、大腸、乳房等のがんや高血圧等の生活習慣病(non-communicable diseases;NCDs)、感染症、外傷など多岐に及びます。2016年の推計によると、世界では、飲酒により年間約280万人が死亡しており、特に若者から壮年期への影響が大きく、15‐49歳の死亡原因の女性3.8%、男性12.2%が飲酒に起因すると報告されています。これまで、観察疫学研究から得られたJカーブ効果の報告を元に、適度な飲酒は健康に良い、とのメッセージが広く社会で受け入れられてきましたが、近年世界では安全なレベルの飲酒量は明示できないとする報告が出され、人々に飲酒の健康リスクを客観的に伝える必要性が示されています。日本の公衆衛生においても、飲酒の健康リスクについて明らかになってきたことを元に、今後の飲酒対策を検討していくことが求められます。
そこで、今後の飲酒対策を考える第一歩として本シンポジウムを企画しました。本シンポジウムでは、はじめに、各シンポジストから、「飲酒による健康リスクに関する知見」、「健康リスクの考え方、リスクコミュニケーション」、「タバコ対策から見た飲酒対策」、「生活習慣病予防としての飲酒対策」に関する話題を提供していただきます。その後、話題提供を受けて、公衆衛生分野における今後の飲酒対策について、フロアの皆様と共に討議を行います。
*各務 竹康1 (1. 福島県立医科大学医学部衛生学・予防医学講座)
*中村 正和1 (1. 公益社団法人地域医療振興協会 ヘルスプロモーション研究センター)
*岡村 智教1 (1. 慶應義塾大学医学部衛生学公衆衛生学)