*川内 はるな1、西岡 大輔1 (1. 大阪医科薬科大学)
セッション情報
公募シンポジウム
シンポジウム32:生活保護受給世帯の健康・生活を支援する:エビデンス・実践事例・将来展望
2024年10月30日(水) 15:25 〜 17:00 第5会場 (札幌コンベンションセンター 107-108)
座長:斉藤 雅茂(日本福祉大学)、上野 恵子(京都大学社会疫学分野)
令和3年より被保護者健康管理支援事業(以下、健康管理支援事業)が全国の福祉事務所で必須事業となり、福祉事務所が保有するデータを活用したエビデンスの構築が進められてきました。生活保護受給者では糖尿病の有病率が公的医療保険加入者よりも高いことや、生活保護受給者の中でも特に健康維持が難しい集団が存在することが報告されています。現在、全国の福祉事務所で、健康管理支援事業としてさまざまな取り組みが実施されるようになってきましたが、事業の効果的な実施体制や方法、事業実施上の課題に関する知見は十分に蓄積・共有されておらず、各福祉事務所が手探りで事業に取り組んでいるのが現状です。
そこで本シンポジウムでは、川内はるな氏(大阪医科薬科大学)にまず、既存の生活保護受給者の健康に関するエビデンスをレビューした成果を報告し、生活保護受給者の健康実態を定量的に報告していただき、現状を見える化・共有します。次に、久保木紀子氏(横浜創英大学)、武本翔子氏(豊中市福祉事務所)に、先駆的に健康支援事業を実施している自治体の実践例および生活保護世帯の子どもと養育者への健康支援の取り組みについて、保健師の立場から報告していただきます。最後に、西岡大輔氏(大阪医科薬科大学)に、令和6年度厚生労働行政推進調査事業「生活保護受給者における効果的な健康支援方法の立案に向けた実証研究」における成果や議論などをもとに生活保護受給者の健康・生活支援の可能性とその課題について整理していただきます。これらの内容をもとに、今後の健康支援事業の展望をパネルディスカッションし、まとめます。
本シンポジウムは、健康管理支援事業の効果的な実施に向けて、必要な事項や関係機関が果たすべき役割についてディスカッションし理解を深めること、そして施策のアップデートに資する提言をすることを目的としていますが、全国の事業に関わる担当者のみなさんのネットワーク形成も目指しています。現在、福祉事務所で健康管理支援事業に携わっている保健師、栄養士、ケースワーカーなどの担当者の方だけでなく、生活保護受給者の健康・生活支援に関わりうるすべての分野のみなさまからのご参加を心よりお待ちしています。
*武本 翔子1 (1. 豊中市福祉事務所)
*久保木 紀子1 (1. 横浜創英大学看護学部)
*西岡 大輔1 (1. 大阪医科薬科大学)