第22回日本緩和医療学会学術大会

セッション情報

講演

[SL2] がん患者の精神症状はこう診る、向精神薬はこう使う

2017年6月23日(金) 16:15 〜 17:15 第1会場 (国立大ホール)

座長:小川朝生(国立研究開発法人 国立がん研究センター東病院)

 企画趣旨
 本講演は、がん患者の精神心理的ケアを見渡し、その全体像をつかむことを目的としたセッションです。
 がん対策が進み、緩和ケアに対する認識も徐々に高まりつつあるなか、精神心理的ケアについてもがん治療と並行して提供される形が望まれるようになりつつあります。
 たとえば、早期からの緩和ケアが提唱され、そのための施策として、緩和ケアセンターが設置されてきました。苦痛のスクリーニングも試みられています。早期からの緩和ケアは、「疾病への適応(Coping with CancerまたはAdjusting to Cancer)」と言われるように、告知に伴う不安・抑うつへの対応と今後ストレスに向かい合ったときに自分自身でどのように対応するのか、を考えることがあげられます。治療中の症状緩和においては、せん妄の評価と対応は課題です。さらに、最近では脳転移によるてんかん発作への対応もあがるでしょう。
 このような様々な場面において、どのように精神症状をアセスメントするのか、せん妄や気持ちのつらさに気づき、多職種でどのようにアプローチをするのか、その基本的な姿勢を考えていきます。また、一般診療において知っておくと役に立つ向精神薬を使うコツ・評価のポイントについても触れます。普段なさっている精神心理的ケアを今一度振り返る機会になれば幸いです。

小川 朝生 利益相反1 〜 13:該当無し