22nd Congress of the Japanese Society for Palliative Medicine

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講演

[SL5] 痛みは脳を変える

Sat. Jun 24, 2017 10:00 AM - 11:30 AM 第10会場 (会議センター 501+502)

座長:片山志郎(日本医科大学付属病院 薬剤部)、下山直人(東京慈恵会医科大学院 緩和医療学)

企画趣旨
 本シンポジウムの目的は、人間の痛みが慢性化する臨床の過程を、基礎研究を中心とした方法により明らかにし、機序に基づく治療法の開発、臨床応用するための、基礎研究、臨床研究、臨床の連携を強めることです。本来、痛みは急性に起こり、人間の体を守るための危険信号として重要であり、その痛みによって、人間は生命の危険が自分自身に迫っていることを認識し、その痛みを起こしている危機に対して、それを避ける行動をすることによって「生存の可能性」を向上させてきたと考えられます。しかし、ある一定以上の頻度による痛み刺激は、本来の急性痛の意味を失い、神経細胞、脳細胞の可塑化によって、その痛みが持続していく現状もみられることがわかるようになってきました。最初の講演者の慈恵医大の加藤教授からは、慢性の痛みに関して、脳の偏桃体に焦点をあて、炎症による慢性痛が惹起すると考えられる偏桃体の応答に関しての研究をご発表いただきます。そして、痛みの慢性化の機序、その痛みのコントロールなど、臨床での応用に関してお話につなげていただく予定です。2番目の講演者の星薬科大学の成田教授には、がん患者が体験する身体的症状の変化、精神的、社会的苦痛の変化を、QOL向上を目指した包括的緩和医療科学の確立についての道筋につながる、さまざまな基礎研究についてお話をいただくこととなっています。いずれも緩和の臨床につながる貴重な知見となり、必見です。

片山 志郎 利益相反1 〜 13:該当無し
下山 直人 利益相反1 ~ 13:該当無し