22nd Congress of the Japanese Society for Palliative Medicine

Session information

ワークショップ

[WS3] 対話への感性を磨く:ナラティブ・メディスンワークショップ

Sat. Jun 24, 2017 1:20 PM - 2:20 PM 第12会場 (アネックスホール F201+202)

座長:中村めぐみ(聖路加国際大学 教育センター)

企画趣旨
 患者の意向を尊重する医療を提供するためには、患者に関心を寄せ、「病を巡る物語り」を知ることが大切です。現状をどのように認識しているか、不安に思うことやつらいと感じていることは何か、自分なりに工夫していることは何か、どのようなことをこれまでの拠り所にしてきたか、どのようなことを大切にしているか、そして大切にしていきたいかなど、患者・家族は様々な表現を通じて医療者に「わかってもらいたいこと」を伝えてくれます。こうした「物語り」に五感を澄ますことは治療やケアの選択に活かされるだけでなく、その「対話」自体がつらさや苦悩を和らげる「緩和ケア」となり、「物語り」を分かち合う医療チームとの間に信頼関係を育むと思います。
 ナラティブ・メディスン(Narrative Medicine)は、物語り能力(Narrative Competence)を通じて実践される医療で、物語り能力を育む教育は米国コロンビア大学のリタ・シャロン教授によって2000年からスタートしました。文学・芸術・映像・音楽といった多彩な媒体を用いて、「注意深く五感を研ぎ澄まし相手と向かい合う」「病いの物語りを細やかに読み解く」「自分なりの表現を磨く」といったことを目的としたこのプログラムは、医学教育から始まり、現在は看護師やソーシャルワーカー、薬剤師や理学療法士など医療に従事する多職種間にも広がっています。参加する皆さんの「発見」と「気づき」と「喜び」の時間となれば幸いです。

中村 めぐみ 利益相反1 〜 13:該当無し