粉体粉末冶金協会2020年度秋季大会(第126回講演大会)

講演特集テーマ

講演特集

1.硬質(工具)材料技術における新たな展開
 切削,耐摩耗,掘削などの機械システムの性能は硬質(工具)材料によって大きく影響されるため,硬質材料の性能,製造プロセス,コスト,資源などの多くの観点からの今後の技術発展が期待されています.本特集では,WC 基超硬合金, Ti(C,N) 基サーメット,セラミックス,cBN・ダイヤモンド焼結体,CVD,PVD などの硬質材料に関して,原料,材料組織,基礎特性,工具特性,解析法,理論,シミュレーション,資源問題などに関する最近の研究課題と成果,新しい技術動向・進展などの発表を募集します.我が国の硬質材料技術の発展のための研究発表と議論を行いたいと思いますので,奮ってご参加下さい.

2.粉末製造技術と粉末積層3D造形の最先端
 樹脂はもとより金属粉末から直接製品を成形する粉末積層造形技術が大きな注目を集めています.粉末製造から装置開発,造形挙動の理解やポストプロセス等,急速に研究領域が広がり,現在では,製造プロセスとしての適用例も多数報告されています.積層造形技術と造形体の特徴を把握するためには,造形方式の違いだけではなく,原料となる粉末製造技術と粉末特性の理解が必要不可欠な状況となっています.このような背景のもと今回の特集を企画致しました.粉末製造技術および積層造形に関する研究であれば内容は問いませんので,委員会のメンバーの皆様はもとより,関連する研究者の方々の積極的なご発表ならびにご興味を抱かれている多方面からの聴講を歓迎します.

3.焼結部品評価技術の課題と最新技術
 自動車関連部品を中心に使用されている焼結部品は,信頼性向上に向けて精度の良い評価が必要とされ,評価手法については長い時間をかけて検討が行われ,日本規格協会による粉末冶金関連JIS規格,日本粉末冶金工業会によるJPMA規格および技術指針として標準化されています.しかしながら,国際標準との整合,さらには評価機器の進歩や部品用途の多様化を踏まえた評価方法の更新も必要となっています.これらの環境の中で,改めて評価手法に光を当て,現状における課題と最新評価技術の共有を行い,今後の粉末冶金製品のさらなる信頼性向上に貢献できる活動の場として本特集「焼結部品評価技術の課題と最新技術」を提案いたします.本特集での議論は,年度内に開催予定の企画セミナー等に反映させ,会員相互が継続的に議論を深め,実りある活動につなげてまいります.多方面からの講演を広く募集します.奮ってのご応募をお願いいたします.

4.磁性材料・磁気デバイスにおける微細構造制御と機能発現
 本特集では,ハード磁性,ソフト磁性等の様々な材料について,バルク,薄膜,微粒子等の形態を問わず,材料の磁気特性や応用先における機能と微細構造を結び付けて議論する多くの研究を紹介してきました.今回もこの方針を継続し,産官学から多くの機関の研究者が集い討論する場となることを期待して講演を募集したいと考えています.エネルギー変換デバイス・装置で用いられる,永久磁石用ハード磁性材料では,新規磁石材料や新規作製プロセスなどについても注目し,希土類系からフェライトまで,ソフト磁性材料についてはフェライトから圧粉磁心などでも用いられる金属系磁性粉まで幅広く募集いたします.いずれの材料・デバイスも日本が世界をリードする上で重要なものとなっています.多くの皆様の講演申込をお待ちしています.奮ってご参加下さい.

5.電場および各種外場環境下における動的挙動の解明
 各種材料における焼結緻密化や微細組織形成過程,あるいは光学特性や力学応答などの材料特性に対し,電場,磁場,応力場,光照射などの外場の印加が多大な影響を与えることが指摘されており,これら外場を積極的に利用した新たな材料製造技術や材料開発,また新機能発現に期待が寄せられています.外場効果は,既存のプロセッシング手法と新たに組合せることで,これまでに知られていない新規な現象や機能特性の発現の可能性を秘めており,本協会における新たな研究領域の開拓や技術展開の促進に寄与できると期待されます.  本特集では,関連分野の研究者の連携・協力を通じて外場効果に対する基礎基盤的知見を総合し,外場支援による新たなプロセスへと展開させるための討論と情報交換の場を提供することで,当該分野の活性化を図る場となることを期待しています.様々な外場効果を利用した現象や合成技術に関する講演をお待ちしておりますので,奮ってご参加ください.

6.ナノ材料の合成とその複合化技術の新展開
セラミックス,金属,炭素などのナノ材料は,物質固有の性質に加え,ナノ領域のサイズに由来する機能を発現する可能性があることから,大きな注目を集めています.そこで,種々の応用に向け,ナノ材料の代表的合成手法であるTop Down法とBottom Up法が,近年発展してきました.また,2つの化学的に異なる面を有するヤヌスナノ材料など,新しいナノ材料についても報告が増加しております.加えて,ナノ材料同士の複合化、高分子などをマトリクスとした複合化についても,高機能化を目指して様々な手法が提案されています.こうしたナノ材料の合成とその複合化,さらには得られる材料の応用展開は,本協会の将来において重要な役割を果たしていくと期待されます. 本特集では,ナノ材料の合成とその複合化技術に関する様々な観点からの講演を募集します.奮ってご参加下さい.

7.粉末冶金技術と製品評価に関する新たな展開
 粉末冶金プロセスを用いた製造技術は,様々な分野で活用され発展を続けている重要な技術です.また,その技術で製造した材料・製品を適切な方法で定量的に評価することも重要となります.本特集では,粉末冶金技術が関わる新しい製造技術や製品の特性の定量評価に関連する様々な研究内容を対象として募集します.例えば,前回(平成30年度春季大会)の講演特集では,粉末冶金技術で作製した各種機能性材料の特性に関する研究,不規則形状粒子シミュレーション法による圧密成形プロセスに関する研究,粉末冶金技術で作製した構造材料の組織に関する研究,有限要素法に基づく焼結シミュレーションに関する研究,レーザー積層造形法で作製した各種金属材料の組織や特性に関する研究など多岐にわたる分野の発表が計17件ありました.今回の講演特集は粉末積層造形法以外の粉末冶金技術が関わる多種多様な分野からの研究発表を歓迎します.多数のご応募とご参加をお待ちしています.