大瀧 和男 (医療法人和音会かずおメンタルクリニック)
セッション情報
一般シンポジウム
一般シンポジウム101
児童精神保健福祉の地域対応力の向上:児童精神科診療所と地域連携による子どもを支える基盤づくり
2024年6月22日(土) 13:15 〜 15:15 O会場 (札幌市産業振興センター 産業振興棟 2F セミナールームC)
司会:大嶋 正浩(医療法人社団至空会メンタルクリニック・ダダ),大高 一則(医療法人大高クリニック)
メインコーディネーター:大高 一則(医療法人大高クリニック)
サブコーディネーター:大嶋 正浩(医療法人社団至空会メンタルクリニック・ダダ)
児童精神科領域は、発達障害の増加、不登校の増加、虐待問題、子どものゲーム依存、摂食障害をはじめ様々な子どもの不適応問題が顕在化している。児童精神科医療をはじめ、児童精神保健福祉の分野が対応できていない。量的には、児童精神科外来の長期の受診待機の問題があり、質的にも福祉と医療が効率的に連携できていない現状がある。児童精神科診療所にコメディカルを十分配置できていないこと、児童精神科と福祉や教育との連携に対する後押しが不十分であったために、連携の歴史も乏しく、また、連携の時間や人の保障が不十分である。児童精神神経科連絡協議会でアンケート調査を行ったところ、様々な地域の公的(あるいはそれに準ずる)機関の仕事を、児童精神神経科診療所の91% が引き受けていた。2 カ所以上受けている診療所が84%、5 カ所以上受けている診療所は35% であった。診療所ごとに、地域の課題に合わせ様々な連携の工夫をしている。チーム医療が基本となる児童精神科領域では、院内のみでなく地域に広く協力体制を広げている。地域の潜在的な子どもへの対応力が向上し、医療にかかるのみでない選択肢も広がるものと思われる。学校との連携では、同じ子どもをみながらも児童精神科と教育との間に齟齬があり、それを乗り越える連携について報告する。また、地域において異なる専門分野の連携の会を定期的に開催し、発展的に児童精神科のコーディネート機能を重視した相談支援体制の構築に至った例、養護施設の運営する児童家庭支援センターと、一体化した運営をすることで地域の虐待事案により早くアクセスできる体制などについて報告する。また、全体を通して、切れ目がなく行政ともタッグを組んで行っている乳幼児から学童までの支援体制をもとに、児童精神科の地域支援の在り方を議論する。地域での子供に対する対応力が向上することで、待機問題の解決にも前向きな影響があると思われる
中庭 洋一1, 椎葉 亮2, 若原 孔明2, 中庭 幸江2 (1.なかにわメンタルクリニック, 2.株式会社なかにわ)
中野 育子1, 今泉 明子2 (1.医療法人花水木札幌こころの診療所, 2.社会福祉法人常徳会興正こども家庭支援センター大通分室)
中島 洋子1, 井上 悠里1, 串田 吉生1, 笹野 京子2, 壷内 昌子3 (1.医療法人豊仁会まな星クリニック, 2.医療法人なのはなクリニック, 3.岡山市児童相談所)